LTVとは?算出方法や活用方法、LTV最大化に必要なポイントを解説

2020.05.25

  • デジタルマーケティング全般
LTVとは

情報が飽和し広告が敬遠されるようになる中で、これまでデジタルマーケティングで重視されていたCPAやCVRといった指標は限界を迎えるようになってきました。いかに一人ひとりの顧客から長く多くの売り上げを獲得できるか、すなわちLTVこそがこれからのマーケティングでは重要です。今回はこのLTVについて詳しく解説するとともに、その算出方法や活用方法などについてもご紹介しましょう。

LTVとは

LTVとは「Life Time Value」の略で、日本語に訳すと顧客生涯価値のことです。ひとりの顧客から生涯を通じて得られる収益を表す指標で、CLV(Customer Lifetime Value)やCLTV(Customer Life Time Value)といわれることもあります。企業やブランドと取引をする中で、はじめから終わりまでの期間で顧客がどれだけの利益をもたらしたかを算出するものです。LTVからCAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)を引いた金額がひとりの顧客から得られる利益になります。

LTV-1LTVを向上させるためには顧客との長期的な関係を構築する必要があるため、顧客関係を強化するCRMやMAとの親和性が高いとされています。優良顧客であればあるほどもたらす利益は大きく、LTVは高まります。LTVはひとりの顧客に紐づけて「時間」と「利益」を定量化したものです。そのため、既存顧客の維持や拡大を判断するうえで重要な指標として広く活用されています。

LTVの算出方法

ここまでLTVの概要や重要性について説明しましたが、続いてはLTVの算出方法についてご紹介します。LTVの算出方法にはいくつかの種類があり、会社の規模や業態によってマッチする計算式は異なります。下記の計算式の中から、自社のビジネスに応じたものを選び、実際に算出してみてください。

  • LTV =(売上高 - 売上原価) ÷ 購入者数
  • LTV = 顧客の平均購入単価 × 平均購入回数
  • LTV = 平均購買単価 × 購買頻度 × 継続購買期間
  • LTV = 顧客の年間取引額 × 収益率 × 顧客の継続年数
  • LTV = 利益×取引期間(ライフタイム)×割引率(現在価値係数)
  • LTV =(平均購買単価 × 購買頻度 × 継続購買期間) - (新規獲得費用 + 顧客維持費用)

では、具体的に主要なアプリサービスごとのLTVの計算方法について例を見てみましょう。

1.ECアプリの場合のLTV

「Amazon」のアプリにおける1ユーザーあたりのLTVを算出したい場合、月間の平均購入金額が1,000円、平均購入点数が2.5個だとすると月次ARPUは2,500円となります。月間のチャーンレートが5%だとすると、1ユーザーあたりのLTVは

1,000 x 2.5 ÷ 5% = 50,000円 になります。

2.サブスクリプションアプリの場合のLTV

「hulu」のアプリにおける1ユーザーあたりのLTVを算出したい場合、月額の視聴費が933円、チャーンレートが10%だとすると1ユーザーあたりのLTVは

933 ÷ 10% = 9,333円 になります。

3.ゲームアプリの場合のLTV

「クラッシュ・オブ・クラン」のアプリにおける1ユーザーあたりのLTVを算出したい場合、非課金ユーザーから得られる収益(広告ARPU)と課金ユーザーから得られる収益(課金ARPU)を分けてLTVを算出しましょう。

非課金ユーザーひとり当たりの1カ月の収益が25円、チャーンレートが50%で、課金ユーザーひとり当たりの1カ月の収益が300円、チャーンレートが10%とします。非課金ユーザーと課金ユーザーの割合が 9:1 だった場合、1ユーザーあたりのLTVは

(25 ÷ 50% x 0.9) + (300 ÷ 10% x 0.1) = 45 + 300 = 345円 になります。

LTVがわかれば新規顧客獲得にかけられる上限額がわかる

LTVは顧客あたりの見込み収益を表します。そのため、新規顧客を獲得するための単価(CPA)とも関連しています。あくまで大切なことはLTVの数値にこだわることではなく、利益を出すことです。LTVとCPAを比較して、どれだけのコストをかけられるか判断材料として使いましょう。

例えばLTVが1,000円の場合、CPAはそれを下回る金額でなければ採算が取れなくなってしまいます。新規顧客の獲得にかけられる上限額を顧客データに基づいて算出できるため、より信頼性の高い数値を割り出せます。

LTVを最大化するには

LTVを最大化するためには、いくつかの方法が考えられます。おもな方法は3つで、それぞれ「顧客単価の上昇」「購入頻度の向上」「継続利用の促進」が有効な手段とされています。では、それぞれ詳しく確認してみましょう。

顧客単価を上げる方法

既存商品の値上げを行うのも良いですが、既存顧客が離脱してしまう可能性もあるため、セット販売や大型サイズ、グレードアップバージョン、オプションの追加などを行うのがおすすめです。サービスそのものをアップデートして、顧客にマッチした商品を提供すれば購買意欲も高められます。

このようなアップセル施策を行う際にはマーケティングツールの活用が欠かせません。先ほど説明したように、シンプルに値上げだけを行うと顧客は離れていってしまいます。そのため、オプションの魅力を伝えつつ離脱を防ぐようなメールマガジンを配信したり、お試しとして商品を提供したりする必要があります。このようなアプローチを顧客に効果的に行うのは人力では難しいため、マーケティングツールの活用が重要になります。

購入頻度を上げる方法

購入の頻度を上げるためには、こまめなフォローが求められます。顧客とのタッチポイントを増やすことで関係を絶やさず、サービスに対する興味・関心を引き上げます。具体的な方法としては、アップセルの手法と同じくメールマガジンの配信や使用感に関わるヒアリング、類似したおすすめ商品のレコメンドなどが挙げられます。

購入頻度を上げるための施策においては、顧客データの収集と分析が肝になります。なぜなら、顧客の好みや商品を購入した理由がわからなければ、顧客のニーズが読めずに見当違いのアプローチをしてしまう恐れがあるからです。顧客の状況を分析するためには、CRMなどのツールを用いて行動内容や受注頻度を一度洗い出してみることをおすすめします。分析した結果をもとに、顧客をマトリックス図などにマッピングして適切なアプローチを行いましょう。

継続利用を促す方法

継続利用の期間を伸ばすこと、すなわち顧客の離脱を防ぐためには、ヘルススコアの活用が効果的です。

ヘルススコアとは、顧客が今後もサービスを継続的に利用するかどうか、さまざまな指標をもとに数値化したものです。例えば、ヘルススコアが低い顧客は解約の恐れがあるため、優先的にサポートを行うといった形で、離脱防止に向けた対策を取る際の目安にすることができます。

ヘルススコアの活用以外にも、長期的な継続利用による特典の付与や、お得なキャンペーンなどを実施し、特別感のある体験を顧客に提供する方法も効果的です。また、解約率を下げる重要なポイントとして「ユーザーがオンボーディングできる仕組み作り」という点もよく取り上げられます。

オンボーディングとは、船や飛行機に乗っていることを意味する「on-board」から転じた言葉です。新しい乗組員に対して必要なサポートを行い、慣れてもらうプロセスのことを指します。商品やサービスもこれと同じく、最初から上手に使いこなすのは困難です。特にBtoB向けのデジタルツールなどは仕様が複雑なことが多く、すぐに解約されてしまうことも珍しくありません。そのため、契約後の支援サービスを行ったり、利用状況を確認したりして確実に定着させる工夫が必要です。

顧客と良好な関係を続けることが重要

LTV-2ここで一度、顧客と良好な関係を続ける重要性についてもう少し考えてみましょう。そもそもビジネスにおける信頼関係は非常にドライなものです。家族や友人とのそれとは違い、企業と顧客の関係は確実な効果や利益に基づいています。商品を購入しても期待通りの結果が出なかったり、納期や支払い期日を守れなかったりすれば、関係は消滅してしまいかねません。

また、場合によってはさらに高性能な他社のサービスに流れてしまう可能性もあります。このような利益に基づいたビジネスライクな関係だからこそ、顧客のことを深く理解して、求めているものを適切なタイミングで提供することが大切なのです。現代では市場のグローバル化や異業種参入が進み、ひとつのジャンルの中でも競争が激化しがちです。加えて、国内という観点で市場を見渡すと、少子高齢化によって国内の顧客数は減少の一途を辿っており、今後はより少ない母数の中での顧客の奪い合いが予想されます。こうした時代的な背景もあり、顧客との良好な関係を築きあげることが大切なのです。

ここまででお伝えした通り、LTVに関わることで最も重要なのは顧客との良好な関係を持続させることです。とはいえ、具体的にどのような方法を用いて顧客関係を強化していくと良いのでしょうか。顧客との関係性を向上させるためには、2種類のアプローチが必要です。ひとつが社内の仕組みを改善する方法、もうひとつが顧客に対するアプローチを改善する方法です。

社内の仕組みを改善する

顧客との関係性を強化するうえで陥りがちな悩みとして、短絡的な売り上げを優先して顧客育成ができていないケースがあります。また、既存顧客の売り上げが落ちていてもボトルネックが不明瞭だったり、戦略的な営業ができていなかったりする場合もあるでしょう。これらはすべて営業活動に紐づく課題であるため、営業に関わる社内の仕組みを変えることが重要です。

まずは顧客をグレーディングして、社内全体で顧客関係強化の戦略を見直すところから始めてみましょう。この時に肝心なのが、部署やチーム単位ではなく会社全体で営業戦略を見直すことです。目的達成をするために自社都合の営業活動が横行してしまう側面もあることから、トップダウンで戦略の変更を策定する必要があります。会社として枠組みを決めることで、短絡的な営業活動を行うことを未然に防ぐことができます。

戦略設計が完了したら、次は営業プロセスの改善に移ります。BtoBやBtoCの業態を問わず、営業活動は属人化しやすい欠点を抱えています。人事異動や退職などによって担当者が変わると、今までの顧客情報が失われて、適切なコミュニケーションを取れなくなってしまう可能性があります。そのため、誰が担当しても高水準な対応ができるようにSFA・CRMといったツールを導入し、顧客の情報を蓄積しておくことが大切です。ちなみに、これらのツールを導入することで業務効率も改善されるため、より迅速な対応が可能になり、顧客満足度が高まるメリットもあります。

また、営業プロセスの改善を図る際には、同時に社内の評価制度を変えることもセットで行いましょう。例えば、商談件数や架電数などを評価の対象にしてしまうと、一つひとつの仕事がおざなりになり、結果的に顧客満足度の低下を招いてしまう可能性もあります。そのため、数を多くこなす「やらされ感」のある評価基準ではなく、より本質に基づいた評価制度を構築しましょう。

顧客に対するアプローチを改善する

社内の仕組みが整ったら、いよいよ顧客に対するアプローチの改善を行います。先ほどご紹介した「顧客単価の上昇」「購入頻度の向上」「継続利用の促進」を果たせる施策を実施し、定期的に振り返って効果検証をしましょう。顧客のニーズをしっかりと把握して、真摯に応えることが顧客との関係構築、ひいてはLTV向上にとって重要になります。

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関連用語:カスタマーチャーンとは

カスタマーチャーンとは一定期間に離脱したユーザーや、有料会員から無料会員にダウングレードしてしまったユーザーのことです。チャーンにはユーザー数をベースにしたチャーンではなく収益をベースにした「レベニューチャーン」もありますが、通常はチャーンというとカスタマーチャーンを表します。

参考:レベニューチャーンアプリにおけるカスタマーチャーンは「アプリをアンインストールしてしまったユーザー」や「アプリを一定期間起動していないユーザー」などを指します。チャーンレート(チャーン率)とはユーザーの解約率や離脱率を表す指標です。

カスタマーチャーンレートの計算方法

アプリを使っているユーザーのチャーンレート(離脱率)は以下の計算式で算出することができます。

カスタマーチャーンレート = 一定期間の合計チャーン数 ÷ 計測期間初日のユーザー数

例えば4月1日時点でアクティブユーザー数が1,000人のアプリがあり、4月中にアプリを使わなくなったユーザーが100人いた場合のカスタマーチャーンレート(離脱率)は

カスタマーチャーンレート = 100 ÷ 1,000 = 10% です。

上記の計算式は一般的ですが、月初のユーザー数や新規獲得ユーザー数が月によって大きく変わるアプリの離脱率を見るのには向いていません。より正確なチャーンレートの計算方法についてはこちらの記事をご覧ください。

ユーザーのチャーンレートを把握するメリット

ユーザーのチャーンレート(解約率、離脱率)を把握すると下記のようなメリットがあります。

1. アプリがユーザーに継続して使われているか把握することができる

アプリの初回利用後からの離脱率を見ることで、ユーザーがどれくらいアプリを使い続けているか把握することができます。また、継続率アップを目的としたアプリの改修を行う際、改修前後のチャーンレートを比較することで改修の効果検証をすることができます。

2. ユーザーがアプリを利用する平均期間を算出し、ユーザー獲得にかけるコスト(CPA)を決めることができる

ユーザーのチャーンレート(離脱率)がわかると、下記の計算式でユーザーがアプリを継続して使ってくれる期間を算出することができます。

ユーザーの平均継続期間 = 1 ÷ ユーザーのチャーンレート

例えば毎月のユーザーのチャーンレートが5%のアプリの場合、ユーザーがアプリを使う平均継続期間は

ユーザーの平均継続期間 = 1 ÷ 0.05 = 20

となり、平均的なユーザーは20カ月アプリを利用することになります。1カ月における1ユーザーあたりの平均収益(月次ARPU)が1,000円だった場合、このアプリのLTV(顧客生涯価値)は以下の計算式で算出できます。

LTV = ARPU x ユーザーの平均継続期間 = 1,000 x 20 = 20,000円

LTVが2万円なので、「アプリのCPA(ユーザー1人当たりの獲得費用)は少なくとも2万円以下に抑えよう」と判断することができます。

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