2020.05.27
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MVPとはMinimum Viable Productの略で、日本語では実用最小限の製品と訳されます。
最小限の機能を搭載した製品を小規模なグループにテストし、フィードバックをもらうことで、素早くフィードバックループを回転させ、製品がユーザーの需要に応えているか仮説を検証するために利用します。
Henrik Kniberg氏が描いた下記のイラストはMVPを端的に表しています。MVPが目指しているのは、始めから複雑な製品開発を進める上の図ではなく、必要最小限の機能を提供してゆき、徐々に改善してゆく下の図のモデルです。
参照: http://blog.crisp.se/2016/01/25/henrikkniberg/making-sense-of-mvp
最小限の機能とは「仮説を検証するのに過不足ない機能」という意味です。MVPを利用する段階で製品がユーザーの抱えている問題をどのくらい解決できているか仮説を立てますそのデータ解析による定量的な検証とフィードバックによる定性的な検証を簡単にするためには、機能は単純で少ないものの方がよいのです。
スタートアップが陥りやすい失敗の1つが製品を完璧な状態で公表するために、はじめから複雑な機能を搭載しようとすることです。製品が複雑であればあるほど、完成までに長い時間がかかり、コストも上がってしまいます。製品がユーザーのニーズに答えられていないリスクもありますが、そのことに、完成した後で気づいても遅いのです。
対照的に、MVPには製品にユーザーが抱えている問題を解決できているかをはかるための最小限の機能しか搭載させません。そのため、短期間に低コストで生み出すことが可能です。
さらに、ユーザーのセグメントを仮定してユーザーテストを行うため、テストは小規模ですみます。テストユーザーにMVPを試用してもらい、その都度フィードバックをもらうため、商品の問題点を明らかにしやすいです。次のMVPをより、ユーザーのニーズに応えたものにできます。これを繰り返すことで完成品に近づくのでユーザーのニーズに応えられないリスクを軽減できるのです。
MVPには以下の4つのタイプがあります。
コンシェルジュ型のMVPとは製品を開発する前に人力で、製品、サービスに需要があるかを検証する方法です。
Airbnbはプロの写真家を使ったホストのほうがビジネスがうまくいくという仮説を元に、実際に写真家を使って、コンシェルジュ型のMVPを実施しました。予約数が2-3倍に増えたというテスト結果をもとにAirbnbは写真撮影サービスを導入し、成長を続けています。
プロトタイプの製品をMVPとして利用することもできます。TwitterのプロトタイプはOdeo((Twitter創業者の一人が当時所属していたソフトウェア会社))社内でメッセージのやりとりをしたり、グループチャットを行うために開発されました。そして、そこでのテストのフィードバックを踏まえた改善を施した上で2006年にリリースしたのです。
参照: http://perfectial.com/blog/why-you-should-not-wait-for-your-technical-co-founder/
オズの魔法使いと呼ばれるMVPは、システムを構築する前に人間がそのシステムの働きをマニュアルで行い、ユーザーのニーズを確かめる方法です。
現在ではアマゾンに買収された「Zappos」というサービスも、はじめはこのMVPの手法を利用していました。「Zappos」はシステムを構築する前に注文ページのみのwebページを作成し、注文が来たときには創業者が自ら商品を買いに行き、発送していました。そうしてサービスの需要を確かめた後、本格的なシステムを構築したのです。
参照: https://speckyboy.com/2014/10/01/successful-minimum-viable-products/
スモークテストはユーザーが製品・サービスに興味を示すかを検証するためのMVPです。
Dropboxはサービスを開始する前に、スモークテストを行ったことで知られています。Dropboxが作成した3分あまりのビデオは大きな反響を呼び、ベータテストの希望者は、ビデオが公表されてからの一晩だけで5,000人から75,000人に増えました。
参照: http://scalemybusiness.com/the-ultimate-guide-to-minimum-viable-products/
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