2018.01.23
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ソーシャルゲームのゲームサービス事業を手がける株式会社マイネットが配信するアプリ『神界のヴァルキリー』では、ARPUとDAUを重要KPIとして設定しています。リテンション率の改善および休眠ユーザーの復帰を目的とした施策を実施するために『Repro』のアプリ解析・マーケティングツールを導入。イベントやキャンペーン、ログインボーナスといった情報を発信するプッシュ通知の配信を行ったり、アプリのキャラクターの魅力を伝えるためリッチプッシュを利用したりといった改善により、新規ユーザーの7日後リテンション率が数%アップしました。また、プッシュ通知の配信時間を少しだけズラすことで開封率が向上。さらに、ゲームの敗北時に攻略情報をアプリ内メッセージで配信するという施策を行い、ARPUも向上させています。
街作りとカードバトルを融合させた美少女カードゲームアプリ『神界のヴァルキリー』は、株式会社Nubee Tokyoが2013年にリリースしたもので、2016年1月に株式会社マイネットがこのアプリを買収。買収時とくらべてDAUは減少しておらず、多くのユーザーが『神界のヴァルキリー』をプレイしている。リリースから4年でDL数は900万以上。
マイネットでは30以上のゲームタイトルを持ち、小規模のものでは数名、大規模のタイトルでは30名程度のチームで運営しています。『神界のヴァルキリー』は、ディレクターを中心として、プランナー、エンジニア、デザイナー、翻訳・カスタマーサポートの各メンバーあわせて20名前後のチームで運営しています。
KPIは、ARPUとDAUを重視しています。KPIを分析した結果、休眠ユーザーの質が高いことが分かり、そういったユーザーをアクティブにすることに注力しています。各種イベントの実施や大型アップデートとあわせて、プッシュ通知やアプリ内メッセージを用いてユーザーとコミュニケーションをとる”アプリ内マーケティング”を実施し、休眠復帰およびリテンション率の向上施策を行っています。
そんな中、リテンション率の改善および休眠復帰を目的とした施策を実施するために『Repro』のアプリ解析・マーケティングツールを導入しました。プッシュ通知において重要なのは、セグメントを切って配信することで、一斉配信ではアンインストールを促してしまい逆効果になってしまう場合さえもあります。導入前は、タイトル専用の機能でプッシュ通知の配信を行っていましたがセグメント配信ができませんでした。他にも、今では多くのアプリが利用しているリッチプッシュの配信ができないなど課題が多く、改修には大きなコストがかかってしまうことから、『Repro』の導入を決めました。
プッシュ通知では、イベントやキャンペーン、ログインボーナスといった情報を発信するプッシュ通知の配信を中心に行いました。これらのプッシュ通知は、通常のプッシュ通知よりも大きな画像を配信できるリッチプッシュを用いました。リッチプッシュを利用することで情報量が増え、アプリのキャラクターの魅力もより伝えられるようになりました。
セグメントを用いたプッシュ通知として、特徴的なものとしては「初心者クエストを達成していないユーザーに対する、初心者クエスト達成ボーナス訴求のプッシュ通知」を配信しました。特定の状況や状態のユーザーに合わせて配信することで、開封されやすくなります。
これらのプッシュ通知の改善により、新規ユーザーの7日後継続率が数パーセントアップしました。
多くのアプリで、プッシュ通知は切りの良い時間に配信することが多いです。例えば、19時00分といった時間です。ただ、ユーザーはさまざまなアプリをインストールしているため、同時刻のプッシュ通知が多数あれば埋もれてしまいます。例えば、配信時間を19時5分にするといった形で、少しだけズラすことでユーザーにこのアプリのプッシュ通知が認識されやすくなり、開封率が向上しました。
『神界のヴァルキリー』は国内だけでなく、海外のユーザーも多くいるゲームです。日本時間で送ってしまうと、深夜に配信されてしまい、当然開封率が下がってしまいます。もともと使っていたものでは、海外と切り分けてプッシュ通知を配信できませんでしたが、『Repro』を利用することで海外のユーザーに対しても適切な時間に配信でき、開封率を向上させられました。
アプリ内メッセージを用いてユーザーの状況・状態に合わせて、まだ使っていない機能を紹介したり、攻略情報を紹介したりすることで、よりゲームを楽しんでもらうことができます。その結果として、ユーザーがより課金をするようになり顧客単価の向上につながります。
『神界のヴァルキリー』では、美少女カードゲームとしての楽しみ方のみでなく、「街作り」の要素もあります。街作りとしての「建設」を並行して行っていくことが、攻略のカギになります。
そのため、まだ「建設」を行ったことがないユーザーに対して建設を促したり、さらに躓いているユーザーに対しては有料の建設を促したりしました。
その他にも、敗北時に攻略情報をアプリ内メッセージで配信するという施策を行いました。ゲームをプレイしていて全滅したタイミングで、どうすれば勝てるのか攻略情報を表示することで、ユーザーがクリアを断念せずにリトライするように促せます。
上の数々の施策のように、状況/状態に合わせて次に取るべきアクションを示すことで、よりゲームを楽しむようになり、結果としてARPUが向上しました。
収益という観点においては、もちろんARPUやDAUといったKPIを重視していますが、ユーザーに長くゲームを楽しんでもらえるようにすることがもっとも大切だと考えています。そのためには、不具合の解消はもちろん、更なる機能の強化や新規イベントの追加も視野に入れています。
機能の強化としては、現在あまり注力できていないPvP(Player vs Player:プレイヤー同士で戦うシステム)の開発を考えています。イベントについては、4年以上運営している中でベースとしているものを中心として展開していますが、新たな切り口で楽しんでもらえるようなイベントの企画を進めていきたいです。
アプリ内マーケティングで、ユーザーとの適切なタイミングでのコミュニケーションを通じてユーザーを寝かさないようにすると同時に、より楽しんでもらえるゲームとなるように改善を行っていきたいと考えています。
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