2023.03.28

PV数・ページビュー数とは、WebページがWebブラウザ上に表示された回数を表す数値です。Webサイトのアクセス解析にはおいては最も基本的な指標といえます。このページではPV数の正しい意味や類似指標との違いをはじめ、Webサイトの改善に活かすための考え方、PV数を増やす具体的な方法について解説します。
PV数・ページビュー数とは、WebページがWebブラウザ上に表示された回数のことです。ページが表示された回数そのものがカウントされるため、ひとりの人が何度も同じページを開いたときは、その回数分がそれぞれ1PVとしてカウントされます。
定義や計算方法は非常にシンプルで、Webサイトがどのくらい閲覧されているかを単純に確認したいときに役立つ指標です。
例えば、ページA、ページB、ページCという3ページで構成されたWebサイトを考えてみましょう。そして、XXX、YYY、ZZZという3人のユーザーが以下のような行動を取ったとします。
言葉にするとやや複雑ですが、図にしてみると簡単。PV数は下記の図のようになり、Webサイト全体のPV数は10です。
■ユーザーのWebサイト上での行動とPV数・ページビュー数の関係
また、PV数は下の表のようにページごとに計算することも可能です。サイト全体のPV数は10、ページAのPV数は5、ページBのPV数は3、ページCのPV数は2です。
■PV数・ページビュー数の計算
ページA | ページB | ページC | 全体 | |
XXX(1回目) | 1 PV | 1 PV | 1 PV | 3 PV |
XXX(2回目) | 1 PV | 1 PV | 2 PV | |
YYY | 1 PV | 1 PV | 2 PV | |
ZZZ | 2 PV | 1 PV | 2 PV | |
合計 | 5 PV | 3 PV | 2 PV | 10 PV |
Webサイトのアクセス解析や分析には様々な指標が用いられます。このページで解説しているPV数と混乱しがちな指標も多いので注意が必要。各指標に対して間違った認識を持った状態では、正確な分析も効果的な施策の実施も不可能です。ここに挙げた各指標とPV数の違いは最低限、理解しておきましょう。
「UU(ユニークユーザー)数」とは、一定期間中にWebサイトを訪れた実人数のことです。「訪問者数」という言葉で表現されることもあります。Webサイトを何人訪れたかを示すことができるので、Webサイトの集客力を測る指標として最適です。
わかりやすいように、例を挙げて説明しましょう。前述したようなA、B、Cの3ページで構成されたWebサイトを、XXX、YYYという2人のユーザーが、以下のような形で訪れたと仮定します。
図にすると以下のような形です。Webサイトを何人が訪れたかを表す数値なので、UU数は2となります。このとき注目したいのは、ひとりのユーザーが何度Webサイトを訪れても、何ページを見てもUU数は増加しないという点です。あくまで実人数であり、延べ人数ではないことを覚えておいてください。
■ユーザーのWebサイト上での行動とUU数・ユニークユーザー数の関係
なお、この例のケースでは、ユーザーXXXは合計5ページ、ユーザーYYYは2ページを閲覧しているので、PVは7です。
「セッション数」とは、一定期間内にユーザーが何回、Webサイトを訪れたかを示す数値です。「訪問数」と呼ばれることもあります。Webサイトに何回の訪問が発生しているかがわかるため、Webサイトの集客力に加えて、人気度や好感度を測る指標といえます。
UU数と同様に図を使って詳しく説明しましょう。A、B、Cの3ページで構成されたWebサイトを、XXX、YYYという2人のユーザーが、以下のような形で訪れたとします。
■ユーザーのWebサイト上での行動とセッション数の関係
なお、この例のケースでも、ユーザーXXXは合計5ページ、ユーザーYYYは2ページを閲覧しているので、PVは7です。
訪問別PV数・訪問別ページビュー数とは、1セッションあたりのPV数の平均値です。わかりやすくいいかえるなら、1回の訪問で平均して何ページが閲覧されているかを確認できる指標。この指標は、サイトの回遊しやすさを表していると考えるのがいいでしょう。
ただし、むやみに数値が高ければ良いというわけではありません。「たくさんのページを見て役立ててもらえている」というポジティブな状況であればいいのですが、「どのページを見ても目的の情報が見当たらず、サイト内をさまよっている」というケースも考えられるからです。Webサイト、ページの目的に合致した数値なのかを慎重に見極めることが重要です。
「IMP(インプレッション数)」とは、Web広告における広告の表示回数のことです。PV数がWebページ自体の表示回数を表しているのに対し、IMP(インプレッション数)はWebページへの広告リンクやバナーの表示回数を示しています。
「アクセス数」とは文字通りWebサイトへのアクセス回数のこと。ただし、明確な定義はなく、ここまでに紹介したPV数、UU数、セッション数のいずれか、もしくはすべてを指すと考えられます。Webマーケティングを実践する際には、それぞれの特性や意味を正しく把握し、適切な指標を選択したうえで分析を行うことが重要です。
PV数の確認方法には、アクセス解析ツールを使用する、サーバーログを収集・集計するなどの方法がありますが、ここでは最も一般的なアクセス解析ツールである「Google Analytics 4(GA4)」を使ったPV数の計測、確認方法を紹介します。
といっても、Google Analytics 4が導入してあれば操作は簡単。以下の操作でWebサイト全体、ページごとのPV数を確認可能です。なお、Google Analytics 4ではPV数は「表示回数」という言葉で表示されます。PV数=表示回数であると覚えておきましょう。
■Google Analytics 4でのPV数・ページビュー数の計測・確認方法
画面左のナビゲーションで「レポート」⇒「エンゲージメント」⇒「ページとスクリーン」を開いた画面。「表示回数」の列の数値がPV数。
PV数は、前述の通り、WebページがWebブラウザ上に表示された回数のことです。では、PV数はどのような視点で見るのがいいのでしょうか。原則として多いに越したことはないのですが、ただ多いだけではWebサイトの本来の目的が果たせないケースも。ここでは、PV数を重要視すべき代表的なWebサイトの種類とその理由について解説します。
ニュースサイト、Webマガジン、ブログといったいわゆるメディア系のWebサイトにおいては、PV数の増大が至上命題といえます。
これらのWebサイトは多くの場合、Webページ上に表示される広告からの収益で成り立っており、広告収益はその表示回数に左右されるからです。端的にいうとPV数=Webページ・広告の表示回数になるので、PV数が収益に直結するのです。
ECサイトのPV数は売上に大きな影響を与えます。PV数が多いということは、ユーザーが1回のアクセスでたくさんの商品を閲覧しているという状況。商品閲覧数が増えると、1アクセスあたりの購入点数も増える可能性があり、最終的に顧客単価の増大に繋がると考えられるからです。
また、グルメ、ビューティ、保険等の比較サイトや不動産ポータルサイトなども、PV数が多いほうがパフォーマンスが良くなる傾向があります。これらのWebサイトは何かを「探す」ことを目的として運営されており、複数ページの閲覧が欠かせないサービスだからです。
ただし、PV数が多いにも関わらず、商品購入や予約、申し込みなどのCVに繋がらないことも。この場合、目的の商品や店舗などが見つからず、ユーザーがサイト内をさまよっているだけかもしれません。
必ずしもPV数が多ければ良いというわけではありませんが、ビジネスに対してPV数が大きな影響を及ぼしているなら、PV数増大の施策を積極的に打っていくべきでしょう。
PV数を増やす方法は大きく「サイト外からの流入を増やす」「サイト内の回遊を促す」の2種類に分類できます。最後にそれぞれについての具体的な施策を紹介します。
サイト外からの流入を増やすために、第一に実施しなければならないのは各流入チャネルでの露出の増大です。代表的な施策を列挙したので取り組みを検討してください。
外部からの流入を増やす、最も確実な方法は広告です。費用を支払うことで様々なWebサイトや検索結果に自社Webサイトへのリンクを設置することができ、設置した広告リンクからの流入を期待することができます。PV数の増大による収益と広告コストのバランスが取れる場合にはすぐにでも着手すべき施策といえます。
SEO(検索エンジン最適化)に取り組むことによって、検索結果での上位表示が可能になり、検索結果からの流入が生まれます。広告と違い、露出そのものにコストはかからず、長期的な流入を期待できるのがメリット。ただし、コンテンツの増強やSEOに適したサイト設計が必要になるなど、広告に比べて時間や専門的な知見が必要になるのが通常です。
TwitterやFacebook、InstagramといったSNS(ソーシャルメディア)での露出を増やし、流入増を図る方法もあります。ユーザーのインサイトに合致した情報を定期的に発信することで、フォロワーを獲得し、自社Webサイトとの接点を拡充していくのです。
ユーザーのメールアドレスを取得しているのであれば、メールマガジンを利用するのもいいでしょう。自社のWebサイトが発信している情報やサービスが有益であればあるほど、ユーザーのエンゲージメントや好感度は高まり、メールマガジンからの流入も期待しやすくなります。一方でメールマガジンの濫用は購読解除のトリガーになる可能性もあるので注意が必要です。
PV数は純粋にWebページの表示回数なので、1回のアクセスあたりのページ閲覧数を増やすことでもPV数を増大することができます。流入したユーザーの心をつかみ、より多くのページを見てもらうのです。
たくさんのページをユーザーに閲覧してもらうためには、ユーザーが興味のあるページがサイト内に存在することを知らせなければなりません。そこで効果的なのが、関連ページへのリンクです。
例えばあるスポーツ選手の記事にアクセスが発生したとしましょう。このとき、同じ選手の別のニュースや選手が所属するチームの記事に対するリンクを設置することで、そのページへの遷移が発生しやすくなることは多々あります。
そのページにアクセスしているユーザーの興味・関心が明確になっている場合は、ピンポイントで次に読んでもらいたいページをレコメンド表示してもいいかもしれません。ユーザーのインサイトと合致していれば、ページの遷移がスムーズに発生するでしょう。
Webサイトの表示速度(サイトスピード)とPV数には相関関係があるといわれています。表示速度が速くなればなるほどPV数は増大するのです。この要因と考えられるのは、ページ遷移の際の待ち時間が短縮されること。リンクをクリックしたあとに次のページがなかなか表示されずサイトを閉じてしまったという経験を持っている人も多いのではないでしょうか。こういったストレスが軽減されることによって、サイト内をユーザーが回遊してくれるようになるのです。
下記の表のように、Reproが実施した調査でも、表示速度(サイトスピード)はPV数の改善に効果があるという結果が出ています。ぜひ実践したい施策といえるでしょう。
■表示速度の改善施策が「PV数の改善」にもたらした成果
※出典:「Webサイトの表示速度改善についての実態調査 2023」Repro株式会社
Repro株式会社が制作した独自の市場調査資料、ホワイトペーパー、お役立ち資料です。
ほかでは知ることのできない貴重な情報が掲載されているので、ぜひダウンロードしてご覧ください。