レベニューチャーンとは
レベニューチャーンとは、ユーザーの離脱や有料会員から無料会員へのダウングレードによって起きた、一定期間における損益を表す指標です。
通常はチャーンというと収益の損失ではなく一定期間に解約や離脱したユーザー数(カスタマーチャーン)のことを指しますが、サブスクリプション型のサービスなどのビジネスモデルでは収益をベースとしたレベニューチャーンも使われています。
レベニューチャーンは損失額の絶対値で算出する場合もあれば、一定期間の売上に占める損失額の割合として算出する場合もあります。
レベニューチャーンの計算方法
サブスクリプション系のアプリのレベニューチャーンは以下の計算式で算出することができます。
レベニューチャーン = サービス単価 × 一定期間の合計チャーン数
例えば、4月1日時点で月額500円を支払う有料ユーザーが1,000人で、4月中に有料で利用しなくなったユーザーが100人いたアプリの場合、レベニューチャーンは下記のようになります。
レベニューチャーン = 500 × 100 = 50,000 円
もし、レベニューチャーンを一定期間の売上に占める損失額の割合として算出する場合は、下記のような計算式となります。これをレベニューチャーンレートと呼びます。
レベニューチャーンレート =(サービス単価 × その期間の合計チャーン数)÷ その期間の総収益
上記のアプリの場合、総収益は月額料金500円に期間内のユーザー数1,000を掛け合わせたものなので、下記のように計算可能です。
レベニューチャーンレート =(500 × 100)÷(500 × 1,000)= 10%
レベニューチャーンをカスタマーチャーンと分けるメリット
複数の有料プランを持つサブスクリプション系のアプリなど、プランごとに1ユーザーあたりの収益が異なるビジネスモデルのアプリでは、各プランでカスタマーチャーンとレベニューチャーンを算出しましょう。
プランごとに算出することによって収益にインパクトのあるユーザーとそうでないユーザーの離脱率がわかり、注力すべきユーザー層から改善施策を検討することができます。下記でサブスクリプションアプリにおけるレベニューチャーンの具体的な例をご紹介します。
動画配信アプリにおけるカスタマーチャーンとレベニューチャーン
仮に下記のような「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つの料金プランを提供している動画アプリを想定してみましょう。
■動画配信アプリの料金プラン
- 「ベーシック」プラン
料金:650円/月、同時に視聴可能な画面数:1
- 「スタンダード」プラン
料金:950円/月、HD画質、同時に視聴可能な画面数:2
- 「プレミアム」プラン
料金:1,450円、HD画質、UHD4K対応、同時に視聴可能な画面数:4
4月の有料ユーザー数が各プランとも10,000人で、それぞれのプランで1,000人のユーザーが解約してしまったとすると、カスタマーチャーンとレベニューチャーンはそれぞれ下記のようになります。
■各プランのレベニューチャーンとカスタマーチャーン
プラン |
料金 |
ユーザー |
解約 |
カスタマー チャーン |
レベニュー チャーン |
ベーシック |
650円 |
10,000人 |
1,000人 |
10% |
650,000円 |
スタンダード |
950円 |
10,000人 |
1,000人 |
10% |
950,000円 |
プレミアム |
1,450円 |
10,000人 |
1,000人 |
10% |
1,450,000円 |
表を見るとわかるように、離脱したユーザーの割合(Customer Churn)は各プランに違いはありませんが、サービス単価が異なるため損失した収益(Revenue Churn)には大きな差が出ます。収益のインパクトから考えるならば、「プレミアム」プランのチャーンレートを改善する施策から優先的に実施すべきでしょう。