適切な料金プランの決定はサブスクリプションビジネス成功の鍵です。定期収入だけではなく、顧客の獲得とリテンションにも大きな影響を与えます。
Price Intelligently社の調査によると、支払いが年間か月間に関して、調査対象のSaaSビジネス5社のうち両方のプランを提供しているのは1社だけでした。多くのスタートアップ企業は月額プランだけである一方、大手企業は年間プランしか提供していません。例えばSalesforce.comとHubspotは年間プランしか選択肢を設けていません。
どちらのプランにもメリットとデメリットはあります。結局のところあなたのサブスクリプション製品にとって一番いいソリューションは自社製品の特徴とターゲットとしている顧客の好みによるのです。
月間プランの方がいい場合
月間プランの主なメリットは新規顧客、特にあなたの製品をよく知らない顧客がサインアップする障壁が低いことです。初期費用が低いだけではなく、短い契約なので不安も少ないですし、チームの営業サイクルを短期間で回すことができます。さらに言えば、顧客がサービスを使い続けてくれることでエンゲージメントしているという証明にもなります。
年間プランの方がいい場合
残念ながら、月額プランはサインアップしたユーザーがすぐに購入をやめてしまうという可能性も抱えていますし、獲得と開発コストが痛手となってしまうという問題もあります。月額支払いはクレジットカードの期限切れや支払い拒否にも弱いです。
その代わり、年間プランはその1年間が終わるまではチャーンのリスクなく最初に収入を得ることができます。これはキャシュフロー的にも良いですし、顧客があなたのサービスの価値をしっかりと理解する時間も確保できます。
両方のプランを設けるべし
この議論には例外もあります。SalesForce.comはこの業界でよく知られている製品の良い例ですが、彼らは月ごとのプランを提供していませんが、サインアップ数の大きな痛手にはなっていません。
しかし顧客獲得と定着の両方を目指す中小規模のサブスクリプションビジネスにとっては、月間と年間両方のプランを設けるほうがどちらの面でも全力を出せるので得策かもしれません。最初は月間プランで始めたい顧客にサービスの価値を伝えることができますし、同時に(インセンティブとして少しの割引をつけた)年間プランを提供することで、ヘビーユーザーに留まってもらい、収益の安定を確保できます。この方法をとるのであれば、年間と月額プラン両方にコストの節約とメリットをきちんと明記し、価格体系をわかりやすいものにしましょう。
最後に、価格体系は顧客が欲している価値に沿ったものにしてください。顧客によって要望が様々な場合、両方の選択肢を設けているほうが顧客ライフサイクルの異なるステージにいる異なる顧客に提供することができます。この柔軟なアプローチによって顧客の獲得、定着、そして最終的にはLTVにはっきりと貢献するでしょう。
この記事は、Revenue Wireのブログ ”Should Your Subscription Bill Monthly or Yearly?” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Revenue Wire in English under the permission from the company.