アプリに対するネガティブなレビューが書き込まれたり、星1つの評価がつけられたりすると、検索結果における表示位置や、プロダクトページからのダウンロードによるコンバージョンが大きく下がってしまうことはご存知の通りかと思います。しかしどのような人気アプリにも、ネガティブなレビューはあります。
アプリの開発者なら必ずどこかの時点でネガティブなレビューに直面するものです。必ずと言って良いほどアプリを気に入らなかったというユーザーは存在し、アプリストアのレビュー欄に不満に思った点を書き込みます。ではこのような否定的なレビューを受け取った時には、どのように対処すべきでしょうか?
本記事では、ネガティブなレビューの捉え方や対処法を5つご紹介します。
慌てないようにワークフローを用意する
Google Play ストアとApp Storeのどちらにおいても、アプリにポジティブなレビューが多数寄せられている開発者だったとしても、批判的なコメントや攻撃的なコメントが届けば、傷ついてしまったり不安になってしまいます。開発者にとってアプリとは我が子のようなものです。それほど大事な作品を批判されて、傷つかない人などいません。
しかしだからと言って感情的になるのではなく、落ち着いて、ネガティブなコメントに対処するためのワークフローを用意しましょう。これがあれば、アプリに対する否定的なレビューにひとつずつ、より効果的に対応できるようになります。
例えば、技術的な問題があって不満を訴えるレビューが届いた場合には、内容をサポート部門に伝える必要があります。アプリ内課金などのカスタマーサービスに対する批判を受けた場合には、カスタマーサービス部門に伝えましょう。
迅速に対応し、返信メッセージに工夫する
1つめのコツで紹介したワークフローは、できるだけ簡単なものを用意し、コメントやレビューにすぐさま対応できるようにしましょう。また返信用のテンプレートも用意しておきます。しかし事前に作成しておいた文章をコピペして返信するのは良くありません。
これではアプリ詳細ページが不自然になり、魅力的ではなくなってしまいます。ユーザーと直接やり取りをするこの場面では、どの返信にも必ず自分の言葉を添えるようにし、ブランドに見合った言葉遣いや口調を心がけましょう。
App StoreではiOS10.3からGoogle Play ストアと同じように、開発者がApp Storeに寄せられたレビューに返信できるようになっています。これにより、iPhoneユーザーやiPadユーザーがアプリに不満を感じた場合に、今までとは異なる方法で開発者とやり取りができるようになりました。iOSアプリの開発者にとっては、ユーザーの不満を解消することでアプリの評価を上げる好機でもあります。これはGoogle Play ストアでは前から実践されている手法です。
時間を割いてレビューをしてくれたことに感謝する
アプリのレビューを記入するという作業は、ユーザーにとって面倒なものです。レビューを書くよりも、星1つを付けたりアンインストールをしたりといった作業の方が遥かに簡単です。それにも関わらず、わざわざ時間と労力を費やして問題点を書き込んでくれたユーザーは、最高のロイヤルユーザーとなる可能性を秘めています。ただしそれはネガティブなレビューにしっかり対応し、ユーザーの不満を解消できた場合に限ります。
ネガティブなレビューはフィードバックとして受け取る
ユーザーは不満をすぐにレビューに書き込む傾向があり、ほんの些細なサーバーの異常があっただけでも、低評価とネガティブなレビューが殺到します。しかしアプリに満足したという場合には、ロイヤルユーザーであっても、時間を割いてまでポジティブなレビューを書こうとはしたがりません。
また、アプリの問題が解決したからといって評価を上げたり、ネガティブなレビューを編集したりもなかなかしてもらえません。アプリページにネガティブな意見が大々的に表示されないようにする一方で、ユーザーにポジティブな評価やレビューを残してもらうには、どうすればよいのでしょうか?このような時には、アプリ内にレビュー・評価機能を上手くに取り入れることで解決できます。
アプリストアのレビュー・評価機能をアプリ内で利用できるようにすることで、ユーザーがレビュー・評価を簡単に行えるようになるので、アプリの評価を増やしながらネガティブなレビューの件数を減らし、さらにアプリのランキングを上げることができます。
しかしこの機能を使用する際には、表示するメッセージの内容や、ユーザーにアプリの評価をお願いするタイミングだけでなく、アプリに不満を感じているユーザーから貴重な意見をもらいながらも、アプリストアにネガティブなレビューが表示されないようにする方法も検討することが重要です。
そのためには、低評価をつけているユーザーを、非公開のフィードバックページに再誘導しましょう。ユーザーにはそこからメールで、開発者に意見を送ってもらいます。この方法ならネガティブなレビューを公表することなく、ユーザーの不満をひとつの意見として受け取ることができます。
アプリを改良する
開発者にとって否定的なレビューは、重要な警告でもあります。このようなレビューに含まれる情報の中には大変貴重なものもあり、ユーザーがアプリを使わないと判断した理由について、ユーザー独自の声を聞くことができます。この方法を活用し、あらゆる側面から製品と戦略全体をより良いものに仕上げていきましょう。
例えばユーザーからアプリに関して機能が足りない、ある端末ではクラッシュしやすいといったネガティブなレビューを受け取った時には、その声を真摯に受け止め、今後開発や品質保証を進める上で優先的に取り入れていきましょう。
この記事は、moburst社のブログ"5 Tips to Dealing with Negative App Reviews"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on moburst in English under the permission from the author.