「うざい」プッシュ通知を「うれしい」お知らせに変える3つの基本原則と成功事例

山﨑 信潔
山﨑 信潔
2022.12.14
「うざい」プッシュ通知を「うれしい」お知らせに変える3つの基本原則と成功事例

目次

アプリマーケティングにおける最も重要なコミュニケーションチャネルがプッシュ通知です。しかし、メッセージの送り方によってはユーザーに邪魔者扱いされてしまうことも。本記事では、Repro株式会社が2022年10月に実施した「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」の結果を基に、ユーザーに喜ばれるプッシュ通知の配信方法を考察します。

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「うざい」「いらない」プッシュ通知の正体は?

アプリマーケターの皆さんに質問です。どのようなプッシュ通知がユーザーから「うざい」「いらない」と思われているかをきちんと把握できていますか?

Repro株式会社が2022年10月に実施した「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」では、以下のようなプッシュ通知の送り方がどの程度の不快感を与えるかについて調査しています。

  • 毎日同じタイミングで同じ内容のプッシュ通知が送られてくる
  • 同一アプリから1日に何回もプッシュ通知が送られてくる
  • 自分に関係のないプッシュ通知が送られてくる
  • 内容を理解できないプッシュ通知が送られてくる

■プッシュ通知に感じる不快感の強度

annoying-push-notifications-1※出典:「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」Repro株式会社

結果はグラフの通り。最も強い不快感を与えていると考えられるのは「自分に関係のないプッシュ通知が送られてくる」ことでした。「とても不快だと感じる」と回答した人が全体の46.9%を占めています。これこそが「うざい」「いらない」プッシュ通知の正体だといっていいのではないでしょうか。

同内容・同タイミングの配信、頻度の高すぎる配信も不快さの元になっていますが、自分に関係のないプッシュ通知には及びません。もし、タイミングや頻度ばかりを気にしているなら、プッシュ通知の企画方法も見直すことをおすすめします。

なお、「内容を理解できないプッシュ通知」に対して強い不快感を抱くのは当然の結果といえ、マーケターとして言い訳ができないところです。

自分に関係のないプッシュ通知とはどんなものなのか?

「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」では、どのようなプッシュ通知が自分に関係ない、つまり不快さを助長してしまうのかについても質問しています。

関連性の薄さを強く感じさせてしまうのは、「利用する予定のないサービスに関するプッシュ通知」「自分の趣味嗜好に合わないプッシュ通知」が届いたとき。ユーザーは興味関心を軸として自身との関係性を判断していることがわかります。課金誘導や他サービスの案内をプッシュ通知で送るときには細心の注意を払うべきといえそうです。

一方で、居住地、性別、年齢の食い違いは、興味関心との乖離に比べて強く意識はされていないようです。関係性の判断軸がデモグラフィック要素のような明確な基準に強く依存していないというのは興味深い発見です。

■自分に関係ないと感じるプッシュ通知

annoying-push-notifications-2※出典:「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」Repro株式会社

プッシュ通知でユーザーに「うれしい」をもたらす3つの基本と成功事例

では、プッシュ通知がユーザーにとって「うれしい」ものであるためには、どのような配信方法を選択すればいいのでしょうか。答えはシンプルです。前述した「うざい」「いらない」プッシュ通知の逆を考えればいいのです。「うれしい」プッシュ通知は、間違いなくアプリのKPI改善を後押ししてくれます。

ユーザーのプロフィールに合わせたセグメント配信を行う

プッシュ通知の配信方法を改善する際に、真っ先に着手したいのが「セグメント配信」です。最初から詳細な分析を行い、複雑な条件でセグメントを行う必要はありません。もし、一斉配信しか実施していないなら、性別、年齢といったデモグラフィック要素を基にしたセグメントから始めてみましょう。

アプリ解析ツールを提供するLocalytics社の調査では、セグメント配信をしたプッシュ通知のCVR(コンバージョン率)は、一斉配信の場合と比較して約1.3倍になることがわかっています。また、Repro Appを導入している株式会社ファンケルでは、セグメント配信に重点を置いた施策によって、アクティブユーザーが大幅に増大するという成果を得ました。

セグメントを分けたプッシュ通知でアクティブユーザーが約3倍に

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(「FANCLメンバーズアプリ」「FANCLお買い物アプリ」株式会社ファンケル様)
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アプリ内行動に合わせたセグメント配信で1to1に近づける

よりユーザーの興味関心に寄り添ったプッシュ通知を配信したいなら、アプリ内行動に合わせたセグメント配信を実施しましょう。Aという行動をしたユーザーにはA’のプッシュ通知を、Bという行動をしたユーザーにはB’のプッシュ通知を配信するという方法です。

わかりやすい例としては、ECアプリにおけるカゴ落ち・カート落ち対策のプッシュ通知が挙げられます。カートに商品が残った状態で一定時間が経過したときに、そのユーザーにプッシュ通知で購入漏れをお知らせするわけです。

株式会社フジテレビジョンが運営するアプリ「FOD」では、視聴動画に合わせたレコメンドを行うプッシュ通知等を配信することで動画再生率1.3倍を実現。ゴルフネットワークプラス株式会社の「ゴルフネットワークプラス」では、アプリ内行動とプッシュ通知、アプリ内メッセージの組み合わせによってMAU(月間アクティブユーザー数)を大きく伸ばしています。

レコメンドPUSH通知の精度向上で動画再生率が130%UP!

fod2_eyecatch-scaled

(「FOD」/株式会社フジテレビジョン様)
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プッシュ通知とアプリ内メッセージの活用で継続率が104%、アプリ起動数が103%に向上

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(「ゴルフネットワークプラス」/ゴルフネットワークプラス株式会社様)
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プッシュ通知の配信数は慎重にコントロールする

アプリのジャンルに依存するものであるため、何通が最適と断言はできないのですが、過剰なプッシュ通知の配信はユーザー体験を損ねる原因となります。「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」では、同一アプリから1日に送られてくるプッシュ通知が5通を超えると、半数以上のユーザーが不快だと感じることがわかりました。

■不快さを感じる同一アプリからの1日のプッシュ通知配信件数

annoying-push-notifications-3※出典:「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」Repro株式会社

また、HelpLama社からは、下記のような非常にシビアな数値が発表されています。

  • 毎週2~5通のプッシュ通知を受け取ると、43%のユーザーがプッシュ通知を無効にする
  • 毎週6~10通のプッシュ通知を受け取ると、30%のユーザーがアプリの使用を完全にやめる

プッシュ通知はアプリ事業者とユーザーをつなぐ重要なコミュニケーションチャネルです。だからこそ、むやみに多くのプッシュ通知を配信するのではなく、ユーザーにとって必要なメッセージのみを届けるという姿勢が求められるのです。

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