「成功事例を知る前に自社アプリを知るべき」位置情報ゲームアプリのプッシュ通知施策とは?

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2016.10.20
「成功事例を知る前に自社アプリを知るべき」位置情報ゲームアプリのプッシュ通知施策とは?

目次

本記事は、2016年10月20日に開催した「Growth Hack Talks #2」での発表内容を元にしたイベントレポートです。登壇者には「プッシュ通知を活用したリテンション・エンゲージメント施策」をテーマに、自社アプリのプッシュ通知運用のノウハウをお話していただきました。

活用状況を10の項目で確認|アプリのプッシュ通知チェックシート

登壇者紹介

株式会社モバイルファクトリー 中山政樹(なかやま・まさき)氏

1988年生まれ。大学院で哲学を修了後、ベンチャー企業でGvGタイトルやIPタイトルの企画・運用全般に携わる。2016年から株式会社モバイルファクトリーにて、『ステーションメモリーズ!(駅メモ!)』のディレクターを担当。現在はチーフディレクターとして駅メモ!の分析や運用を統括。

自己紹介と事業の紹介

モバイルファクトリーの中山政樹と申します。『駅メモ!』という、スマートフォンのGPS機能を使って日本全国の駅をチェックインし、チェックインするとキャラクターが育っていくというソーシャルゲームアプリの分析や運用をしています。 いわゆる「位置情報連動ゲーム」です。Nianticさんの出している『Ingress』や『PokemonGo』が有名ですね。通勤や旅行といった実世界の生活を通じて遊べるようなゲームです。

ght-ekimemo01『駅メモ』のプレイ中の画面。駅にチェックインするたびにキャラクターが成長する

プッシュ通知施策の第一歩は「自社アプリを知ること」

少し前までプッシュ通知の運用はプロモーションチームに任せておりチームにノウハウは無い状態でしたが、私が入ってしばらくしてからプッシュ通知施策もアプリ運用チームで考えることになりました。まず今日の発表で一番言いたいことを先にお伝えすると、「プッシュ通知について知る前に自分たちのアプリについて知れ」ということです。セオリーや他社の成功事例が必ずしも自社で当てはまるとは限りません。今日は『駅メモ』という弊社のアプリで行った成功や失敗を通じてこのことを皆さんにお伝えできればと思います。

位置情報ゲームのプッシュ送信タイミングは「移動中」

アプリ運用チームになってから最初に出たプッシュ施策は「時間の最適化」でした。以前はメディアで「夕方のほうが開封率が高い」という記事があったのでそれを鵜呑みにし、夕方にプッシュ通知を送っていたのですが改善にはつながりませんでした。そこでまずは『駅メモ』のユーザー層やこのアプリを利用するシチュエーションを洗い出し、通学中の中高生や通勤中のサラリーマンが朝プレイしているということがわかりました。

そこで朝の通勤・通学時間であるAM7:30にプッシュ通知を配信したところ、開封率が劇的に上がりました。普通のソーシャルゲームアプリだとプッシュ通知はお昼時や夜の時間帯に送っていることが多いかと思いますが、『駅メモ』のアプリの利用時間を考えると朝が一番効果的でした。かといって毎朝送って効果があるかというとそんなことはなくて、休日の朝は開封率が高くありませんでした。

もう一度『駅メモ』の利用シーンを考えてみると、通勤通学もそうですがユーザーが移動するタイミング、つまり電車に乗るタイミングに合わせてプッシュを送ると効果が高いということがわかりました。なので今は効果の高い時間帯に定期で送っているというよりは、ユーザーが移動する時期や時間帯を先読みしてプッシュ通知を送っています。例えば大勢の人が電車に乗るお盆の時期に「お盆に突入するけど帰省の準備はできてますか?」というプッシュを送ったら効果が高かったです。

キャラクターの個性を前面に押し出したプッシュ文言で開封率UP

次に文言の工夫で行ったことをお話しします。このアプリの魅力は「でんこ」と呼ばれる可愛い女の子のパートナーを育成できるところなので、キャラのセリフをプッシュ通知に使うことにしました。

ght-ekimemo02多彩なキャラクターそれぞれの口調をプッシュ通知に生かす

具体的には、新規インストール翌日のプッシュ通知を50種類くらいいるキャラ毎の口調にあわせて沢山作り、それぞれの開封率を検証しました。その結果、やはり新規ユーザーが選ぶことが多い人気のキャラの口調だと開封率が高いということがわかりました。今はこの一番人気のキャラクターのセリフを翌日送るプッシュ通知文言として送っていて、約2人に1人が開封しています。

ght-ekimemo-03キャラごとの口調でプッシュ通知を送り、どのセリフが一番開封率が高いかを検証

まとめ

以上で発表を終わります。プッシュを送る時間帯のお話しと文言のお話をさせていただきましたが、伝えたいのは「自分のアプリはどういうアプリなのか」を意識しながらプッシュ通知を運用するべきだということです。安易にセオリーに乗っかるよりは自社アプリを使ってくれるユーザーの声を聞くことが大切だと思います。今後は各キャラクターを利用しているユーザーをセグメントしてそのキャラクターのプッシュ通知を送るなど、よりユーザーの情報と紐づけたプッシュ通知を送りたいと思います。本日はありがとうございました。

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