ランキング上位200個のアプリの名前のワードクラウド
アプリの売り上げランキング上位には無料アプリ、アプリ内課金のあるアプリ、そしてゲームアプリが多くを占めていることはご承知の通りです。そこで今日は、アメリカのApp Storeにおける売り上げ上位200個のiPhoneアプリを調査し、トレンドやデータを可視化したチャートを作ろうと思います。
この記事では、アプリの価格、アプリ内課金、カテゴリー、そして売り上げランキング上位200に入っている他のアプリの詳細について調査した分析結果をご紹介します。ランキングは日ごとに、そして国ごとに変化しますが、日によっていくつかの詳細が異なったとしても、この記事は一般的な観点から見て興味深い観察結果をお届けできると思います。
アプリの価格
売り上げランキング上位200個のアプリをざっと見たときに気付くもっとも顕著な特徴の一つは、そのほとんど全てが無料アプリだということです。私の調査では、有料アプリはたった3つだけ (Minecraft(33位, 6.99ドル), Grindr((2016年12月23日現在では無料のアプリになっている。)) (95位, 0.99ドル), そしてFacetune(183位, 3.99ドル)で残りの197個のアプリは無料アプリでした。
アプリ内課金が多くを占める
ほとんどのアプリが無料の中、アプリ内課金(IAPs)を採用しているアプリが売り上げ上位200を占めているのもまた事実です。調査では、アプリ内課金を設けていないアプリはFacetune(183位) とCBS(200位)の、たった2つでした。
今日では驚きに値しませんが、2009年3月にAppleが最初にApple Storeでアプリ内課金機能を発表した時、有料アプリのみが対象でした。このポリシーは長くは続かず、2009年10月までにAppleは開発者に無料アプリでのアプリ内課金を許可したのです。
多くのアプリ内課金が提供されていた
Apple Storeは人気上位10個のアプリ内課金をアプリごとに公開しており、これを用いて1つのアプリに何種類のアプリ内課金が提供されているかを数えることが出来ました。残念ながら、10種類以上アプリ内課金がある場合はいくつのアプリ内課金が提供されているかを正確に数える方法はありません。しかしながら、ほとんどのアプリ(71%)が10種類以上のアプリ内課金を提供しているとは思ってもいませんでした。
アプリ内課金の単価の分布
より詳しく見てみると、アプリ内課金は0.99ドルから399.99ドルまでの範囲で提供されていることが分かります。当然のことですが、課金額が0.99ドルから19.99ドルのものがもっとも大きな割合を占めています。しかし、99.99ドルや49.99ドル、29.99ドルという料金も多いことに気が付くでしょう。
ゲームだらけ
売り上げランキング上位200のうち68%をゲームアプリが占めていることに示されているように、ゲームアプリはランキングを独占しています。次に続くソーシャルネットワークアプリはたった11%で、出会い系アプリがそのほとんどです。また、音楽アプリが7%(ストリーミングアプリや楽曲作成アプリ)、エンターテイメントアプリが5%(ほとんどがストリーミングビデオのアプリ)で続きます。
売り上げランキングのトップはKing社
上位200には2つ以上のアプリを作った(正確にはランキングインしたアプリの42%以上を担当した)27のアプリ開発会社が存在しますが、ゲームアプリ業界をリードするのはランキングに9つものモバイルゲームが含まれているKing社です。それ以下の順位はElectronic Arts (6), Big Fish Games (6), Zynga(6), SGN (5), Glu Games(4), Supercell (4), Smule(3), Scopely (3), Playtika(3) and Warner Bros (3)になります。
ランキング上位200のうち2つのアプリを開発した会社の中には、RovioやDisney、GoogleやGameloft、そしてSquare Enixがいます。
App Storeのヘッダー画像をカスタマイズする
App Storeを色々と見ると、ヘッダー画像がカスタマイズされたアプリに時々出会うでしょう。これは開発者がアップロードしたものではありません。それらはAppleによってえらばれた、限られたアプリだけが使用を許可されているものなのです。
売り上げランキング上位200個の中で、アプリの58%はカスタマイズされたヘッダーを利用しています。ランキング上位のアプリほどカスタムヘッダーを利用しているということは驚くことではないですが、それを利用していないアプリも驚くほどありました。
面白いことに、SpotifyとYouTubeという2大アプリはカスタムヘッダ—を利用していません。これは偶然かもしれませんが、以前からAppleの競合である人気アプリ(SpotifyとGoogle)の2つがカスタムヘッダーの使用を許可されていないと考えれば納得がいきます。
Pokemon GO、TIDAL、そしてNBA Liveもまたカスタムヘッダーを使用していないのも注目すべきことです。
まとめ
普段からApp Storeの売り上げランキング上位をチェックしていれば、大体あなたの予想通りだと確信できるでしょう。わかり切ったことではありますが、あなたがランキング上位の中からアプリをランダムに選べば、無料でアプリ内課金を備えたゲームアプリを選ぶ確率が高いということになります。
しかしながら今回の調査で驚くべきは、ランキング内に有料アプリや、アプリ内課金を備えていないアプリはほとんど無く、アプリ内課金のある無料アプリがランキングをこれほどまでに独占しているという事実です。
この記事は、 MacStories上の記事 “ Exploring the App Store’s Top Grossing Chart“ を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on MacStoriesin English under the permission from the author.