2024.12.25
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連続インタビュー「Marketers' Café:成功へのステップと発見」。Webサイトやアプリを活用してビジネスをグロースさせるため、日々、マーケティング活動に奮闘する現場のマーケターの生の声をお届けします。今回はドラマチック恋愛パズルゲーム『スタンドマイヒーローズ』などを開発・運営する株式会社colyのIP事業本部 マーケティング部 部長 小川善史さんにお話をうかがいました。
ドラマチック恋愛パズルゲーム『スタンドマイヒーローズ』
iOS/Android
――まずは御社のサービスについて簡単にご説明いただけますでしょうか。
当社は主にスマートフォン向けゲームの企画・開発を行っています。恋愛パズルゲームの『スタンドマイヒーローズ』や育成ゲームの『魔法使いの約束』、音楽とパズルを融合させた新感覚パズルゲーム『ブレイクマイケース』など、女性をメインターゲットとしたタイトルを数多く展開しています。
どのタイトルも、ゲーム性はもちろん魅力的なキャラクターデザインや、惹きつけられる磨き込まれたシナリオが特長です。なかでも、『スタンドマイヒーローズ』は2024年9月に8周年を迎え、ファンの皆さまに長く愛されているタイトルです。
――小川さんの現在のミッション・役割について教えてください。
全体のマーケティング戦略の立案や予算・目標設計、さらには採用などを行っています。タイトルごとにプロモーションディレクターがいるので、各ディレクターと連携しながらROI向上を目指しています。
また、個人的には「colyのアプリのファンを1,000万人創る」ことをミッションとして掲げていて、アプリのファンを増やすべくオンライン・オフライン両軸で施策を回しています。
――マーケティング部ではどのような施策を行っているのでしょうか。
広告運用はもちろん、オフラインイベントやYouTubeの生放送などの企画・運営も行っています。これらはマーケティング部だけで担っているわけではなく、他部署と連携して実施しています。
アプリ内ではバレンタインやホワイトデー、ハロウィンといった季節のイベントや周年記念イベントなどがあるので、アプリのイベントに合わせてタイトルごとに年間施策を検討しています。施策の内容は多岐にわたりますね。
――『スタンドマイヒーローズ』をはじめとしたタイトルの運営やユーザー様とのコミュニケーションにおいて重視していることはありますか?
一番はやはり「愛」を持って作品に向き合うことですね。作品やキャラクターの魅力を損なうような、ファンの皆さまを裏切るマーケティングは絶対に行わないという姿勢を徹底しています。ファンの皆さまは細部まで作品を見てくださっていて、運営側が作品にどれだけ真摯に向き合っているかも感じ取っていらっしゃると考えています。
例えば、クリエイティブひとつ作る際も「このセリフはキャラクターの話し方に合っているか」「このキャラクターにこの色合いのスタイリングが適しているか」など、作品の世界観を壊さないよう細心の注意を払っています。また、すべてのキャラクターに推してくださるファンの方がいることを意識し、ガチャの登場頻度やステータス、レア度、キャラクターの並びなど、「平等な扱い」を心掛けています。
さらに、YouTubeの生放送の企画においても、基本的にはキャラクターの声を演じている声優の方々のみに出演いただいており、運営スタッフは露出しない方針です。こうした工夫によって、ファンの皆さまが愛する世界観をしっかりと守るよう努めています。
――ファンの方に寄り添い、作品を大切にしていらっしゃるのですね。
作品への愛がなければ、「1,000万人のファンを創る」という目標を達成することは難しいと考えています。手前味噌ですが、colyという会社の強みは、たとえサービスが終了したタイトルであっても、その後も大切にし続ける姿勢です。具体的には、リアルイベントを開催したり、キャラクターの誕生日や周年のタイミングでSNSキャンペーンを実施したりと、サービス終了後もファンの皆さまと作品を繋ぐ取り組みを続けています。
こうした活動があるからこそ、ファンの皆さまに安心して作品を楽しんでいただけると考えていますし、タイトルが生き続けることにも繋がります。そして、作品を届け続ける姿勢は、全社的にも一貫して徹底されていると感じます。
――マーケティング施策やユーザーとのコミュニケーションで、「これは成功だった」といえる取り組みがあれば教えてください。
2023年に実施した『魔法使いの約束』のロンドンバスのラッピング施策は、非常に大きな反響がありました。SNS上で多くのユーザー様に拡散され、ファンの皆さまからも好評をいただけたんです。また、ほかのゲーム会社のマーケターの方々からも「あの施策は良かった」とお声掛けいただくことが多く、業界内でも注目された取り組みでした。
アドトラックなどの広告施策は作品によっては世界観に合わない場合もあるのですが、この施策ではロンドンバスの中でアフヌーンティーを楽しめるツアーを実施するなど、企画やデザイン段階で作品への紐づけを徹底しました。ファンの皆さまにとって特別感のある体験を提供できたことが、反響に繋がったのではないかと思います。
2023年12月に実施された『魔法使いの約束』のロンドンバス施策
――オンライン施策はいかがですか?
直近で成果が良かったのはマンガで表現した動画広告ですね。例えば、『スタンドマイヒーローズ』では、ゲーム内にマンガ風の演出はないものの、新鮮なクリエイティブを提供できたことで、新規ユーザーの獲得に繋げることができました。
また、『スタンドマイヒーローズ』の8周年イベントのときに実施したリテンション広告も一定の成果を得られました。ゲームの新要素を訴求しつつ、かつてのキャラクターとの日々を思い出していただけるような動画クリエイティブを制作したんです。昔、推していたキャラクターとの「思い出」に訴えかける内容がファンの皆さまの心に届き、効果が得られたのだと思います。
――逆に苦戦していることや課題についても教えてください。
クリエイティブの制作に関してはリソース不足に悩んでいて、現在も絶賛リクルート中です(笑)。良いクリエイティブを作るにはどうしても手間がかかるため、限られたリソースの中で効率良く進める工夫も必要だと感じています。
また、認知度の向上も大きな課題です。女性を主なターゲットとしたゲーム市場では、長年人気のタイトルがありますし、新しいタイトルは毎年数多く参入してきます。このなかで、自社の作品の認知度をさらに高めていくのは容易ではありません。どのように作品の認知を上げていくかは、今後取り組むべき大きな課題だと捉えています。
――マーケターとして成長するために、どのようなインプットを心掛けていますか?
まず何事も「やってみる」ことが最大のインプットだと考えています。新しい領域の業務に挑戦するときは、自ずとインプットが必要になりますよね。ですので「インプットしよう」という意識を持つというより、挑戦の機会を自分で作ることを意識しています。目的があれば情報収集も積極的に行うようになりますし、書籍やネットで調べるだけでなく、セミナーやイベントで他社のマーケターと積極的にコミュニケーションを取るようになります。自分とは違う分野の人との会話から得られるヒントは非常に大きいです。
実は、私は元々人見知りな性格で、初対面の方と話すのが苦手だったんです(笑)。しかし、自分の業務や知識を広げるために、意識的に外部の人と接する機会を増やしていきました。不思議なもので、場数を踏むことで次第に慣れていくんですよね。今では外部の人に話しかけることは「得意」で「楽しい」と感じるようになり、情報収集にも困らなくなりました。デジタル化が進んだ時代だからこそ、マーケターは足を使って情報を取りに行くべきだと考えています。
※本記事は2024年10月29日時点の情報です。掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。
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