好奇心をもってユーザーの声と向き合い、真の課題を見つける【クラウドワークス 西村珠美さん】

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2025.01.29
好奇心をもってユーザーの声と向き合い、真の課題を見つける【クラウドワークス 西村珠美さん】

目次

連続インタビュー「Marketers' Café:成功へのステップと発見」。Webサイトやアプリを活用してビジネスをグロースさせるため、日々、マーケティング活動に奮闘する現場のマーケターの生の声をお届けします。今回は日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」を運営する株式会社クラウドワークス プロダクトマネジメントグループ マネージャーの西村珠美さんにお話をうかがいました。

Service-
クラウドワーカーとクライアントをつなぐプラットフォーム「クラウドワークス」

【図】日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」 日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」
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――まず、「クラウドワークス」について簡単にご説明いただけますでしょうか。

「クラウドワークス」は、フリーランスや個人事業主、学生、専業主婦(主夫)といった幅広い属性の方(クラウドワーカー)が、それぞれのスキルを活かして、クライアントからの仕事やプロジェクトを受注できるサービスです。2011年のサービス開始以来、累計600万人以上のワーカー、100万社以上のクライアントの皆さまにご利用いただいており、国内のクラウドソーシングの先駆けともいえる存在だと思います。

もう14年の歴史があるので、皆さんが思っている以上に多くの方が発注に使ってくださっています。お名前は出せないのですが誰もが知っている大企業の方が利用されていたり、大きなプロジェクトの案件もあったりします。

Misson-
契約数や売上管理を行いながら後進の育成も

【写真】株式会社クラウドワークス 西村珠美さん

――西村さんの現在のミッション・役割について教えてください。

クラウドワークスという会社は様々な事業を展開しているのですが、私はすべてにタッチしているわけではなく、中核となる「クラウドワークス」のサービスサイトを見ています。私のプロダクトマネージャーというポジションはプロダクトオーナーとも呼ばれるもので、契約数や売上という数字はかなり意識していますね。

プロダクトの改善を通してそれらの数字を追いかけるわけですが、プロダクトマネージャーは、開発を進めるときにチームを束ねるリーダー的な存在になります。プロダクトの良し悪しを左右する存在と言っても過言ではないので、そのリーダーとしての役割を担うと同時に、今はプロダクトマネジメントグループのマネージャーとして、プロダクトマネージャー育成ということも同時に行っています。

Motto-
ユーザーの声の裏にある「本当のニーズ」を見つける努力

【写真】株式会社クラウドワークス 西村珠美さん

――「クラウドワークス」の運営やユーザーとのコミュニケーションにおいて重視していることはありますか?

ユーザーの声を吸い上げるというのはもちろんなのですが、表層的・切り取りではなく、その声から「真意をくみ取る」ということを大切にしています。私もユーザーの満足度アンケートやSNSを頻繁にチェックするのですが、実際に拾える声は文脈が見えないことも多いですし、言語化が得意な人ばかりではありませんよね。だから個別にインタビューを実施したり、ユーザーの声をヒントに追いかける数字を見つけたりして、真のニーズや課題にたどりつくような努力をしています。好奇心をもってユーザーの声と向き合う、というイメージですね。

――ユーザーとのコミュニケーションを強化するために、たとえばUI改善のPDCAを早く回すといった努力もされていますか?

そこは難しいポイントです。「クラウドワークス」は2011年にサービスが開始され、長い歴史とともに改善が積み重なっている一方で、コードが複雑に絡み合っているなど、サービスサイト内側の事情もあるのです。改善する際にはあれをどけて、これを組み合わせて……と、整理するのにも時間がかかります。最終的に間違ったものを作ってしまったときには、そのリカバリーにはもっと時間がかかってしまいます。だからこそ、拾えた声が本当に解決すべき課題かどうか、真剣に突き詰めてしっかり特定しなければいけないんです。

もちろんスピード感を持って、コミュニケーション量を増やすことが大切なのはわかってはいますが、昔のような速度ではPDCAは回せない。改善は質と量の掛け算でもあるので、今はできる限り質を向上させることが大切だと考えています。

Marketing-
長い歴史とデータがあったからこそうまくいった「検索結果の表示ロジック」の改善

【写真】株式会社クラウドワークス 西村珠美さん

――マーケティング施策やユーザーとのコミュニケーションで、「これは成功だったな」といえる取り組みがあれば教えてください。

最近、全体として注力したのは仕事検索の検索結果の表示ロジックですね。要はどんな順番で検索結果を表示させるか、というシンプルな話です。「クラウドワークス」はおすすめ順で結果を表示させていますが、そのスコアのつけ方やマッチングを調整しました。

今までは上位表示される特定の仕事にワーカーの閲覧や応募が集中してしまって、偏りがひどい状態でした。特定の仕事に応募が偏って倍率が高くなりすぎると、結果的に全体で契約に至る確率も下がってしまう。これではサービスに対して、不満が募ってしまいますよね。長年手をつけていなかったその表示ロジックをチューニングしたことで、最近は閲覧数がだいぶ分散されてきました。

これがうまくできた、というのはデータが多いからこそなせる業で、歴史のある私たちの強みが発揮されたのではないかと思います。

――なるほど、ありがとうございます。逆に苦戦している取り組みや抱えている課題についても教えてください。

契約数の増加です。クラウドワークスでは、ワーカーが仕事に応募した後、クライアントがワーカーを選定することで契約に至ります。先ほどお話しした表示ロジックに関する施策により閲覧数や応募数は分散されたので、そこから契約数の増加に繋げていくことが今の課題です。契約数の増加は、色々な施策の組み合わせによって成果となるもの。ここはもう少し様子を見る必要があるのと、閲覧から応募や契約に至るまでにある「もう1ステップ」に働き掛ける施策をうまく見つけなければいけないですね。

表示ロジックのチューニングは絶対に必要なことだったと思いますし、これを行ったことで新たに可視化されるものも出てきました。今はまだ「踏み出したばかり」だと前向きに捉えています。

Input-
SNSを活用して自分専用キュレーションメディアを作る

【写真】株式会社クラウドワークス 西村珠美さん

――西村さんがご自身の成長のために、どのような方法で情報収集を行っているのか教えていただけますか。

セミナーなどのイベントに行き、SNSで登壇者の方をフォローすることです。イベントに行ったら登壇者をSNSで探してフォロー、さらにその方の関連でタイムラインに流れてきた人もまたフォローする。そうすると、別のイベントの情報も勝手に流れてくるようになって、自分専用のキュレーションメディアのようなものが出来上がります。検索するよりも楽で、おすすめです。私、「仕組み」で課題解決するのが好きなので(笑)

あまり大きな声では言えないのですが、気になった人にDMを送ることもあります。「今、こんな課題を持っていてこんな解決方法を考えているのですが、30分ほどお時間いただけませんか」と図々しく押しかける。皆さん、意外とお時間作ってくれますよ。本や記事を見て勉強することも悪くないですが、それがすべてではないように思います。直接人と話すことで、オフレコの貴重な情報をいただけたり、自分の課題に落とし込みやすくなったりします。

誰かに聞きに行くだけではなく、話を聞きたいという人からの申し出を受けることもあります。コミュニケーションが仕事だと思っている部分もあるので、自分自身もオープンにしているんです。

――仕組みを作って効率化を図ると同時に、積極的なアクションもするのですね。

おそらく好奇心が強いから、積極的になれるのだと思います。なぜこのグループはうまくいっているのか、なぜこのサービスはうまくいっているのか、常にそんなことばかり考えています。あとはクラウドワークスというサービスを信じているからでしょうか。クラウドワークスは社会課題を本質的に解決できるはず、その気持ちが揺らいだことは一度もありません。自分が関わるサービスやその理念に自信が持てれば、誰もが行動しやすくなると思います。

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※本記事は2024年12月19日時点の情報です。掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。

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