MAU(Monthly Active Users)とはどんな指標?増やす方法、DAU・WAUとの違い、使い分けを事例付きで徹底解説

山﨑 信潔
山﨑 信潔
2023.05.04
MAU(Monthly Active Users)とは?増やす方法、DAU・WAUとの違い、使い分けを事例付きで徹底解説

目次

アプリやWebサービスのユーザーを計測する指標には様々なものがあります。本記事で解説するのは、MAU(Monthly Active Users)という1カ月に何人のユーザーが実際にアプリを利用したかを示す指標です。MAUの意味と重要性に加え、DAU(Daily Active Users)、WAU(Weekly Active Users)といった類似指標との使い分け、MAUを改善・増大する方法について誰にでもわかりやすく解説しています。

MAU(Monthly Active Users)とは?言葉の意味と計測の必要性

MAUとは、1カ月間にアプリ・Webサービスを利用したユーザーの実人数のことです。「Monthly Active Users(マンスリー・アクティブ・ユーザー)」の略語で、「エムエーユー」と読むのが一般的です。

MAUについて考える際に重要になるのはユーザーの定義です。アプリやWebサービスの場合、インストールや会員登録をしても実際には使用していないユーザーが必ず存在します。ここでは、インストール・会員登録後に使用しているユーザーを「アクティブユーザー」、実際に使用しているか否かにかかわらず、インストール・会員登録を済ませているユーザーを「登録ユーザー」と呼びましょう。

■登録ユーザーとアクティブユーザー

登録ユーザーとアクティブユーザーの違いを解説した図アクティブユーザーは登録ユーザーの一部。登録ユーザーのうち、実際にアプリやサービスを利用しているユーザーの数です。

サービスの普及度や認知度を測る際には登録ユーザーだけで済むかもしれません。しかし、サービスをビジネスとして成立させるためには、実際に使用してもらうことが重要。使用してもらえなければ、商品購入や課金といったマネタイズができないからです。つまり、アプリやサービスの本当の価値を測るためにはアクティブユーザーの数を計測する必要があるといえます。

改めてMAUの意味について確認してみます。MAUは1カ月間に実際にアプリやサービスを利用したユーザー、つまりアクティブユーザーの数です。例えば下記のようなSNSアプリAとBがあったとしましょう。

  • SNSアプリA 登録ユーザー:50万人 MAU:20万人
  • SNSアプリB 登録ユーザー:70万人 MAU:10万人

図に表すと下のようになります。

MAUの意味をわかりやすく解説した図

登録ユーザー数を見ると、アプリBがアプリAを20万人上回っています。一方でMAUはアプリAのほうが10万人多い形です。この場合、ビジネスとして成功しているのはどちらのアプリでしょうか。答えは簡単。アプリAです。

SNSアプリはほとんどの場合、アプリ内に表示される広告からの収益でビジネスが成り立っています。アプリを起動して広告が表示されたユーザー、MAUが多いことがビジネス成功のKPIになっているからです。

なお、MAUはGoogle Analyticsのようなアクセス解析ツールや、Repro Web、Repro Appのような、Web・アプリマーケティングツールで簡単に計測することができます。

アプリ収益最大化サービス

DAU・WAUとの違いと使い分け

続いては、MAUと同時に計測され、施策立案の基となることが多いDAU、WAUについて紹介していきましょう。一緒に理解し、扱えるようにしておくことで、改善施策の精度を高めることにつながります。

DAUの意味とDAUを計測すべきアプリ・サービス

DAUとは、特定の1日の間にアプリ・Webサービスを利用したユーザーの実人数を示す指標です。英語の「Daily Active Users(デイリー・アクティブ・ユーザー)」の頭文字を取った略語で、「ディーエーユー」と読むのが通常です。

DAUの値が重要視されるのは、SNSやニュース系のアプリやサービス。これらのアプリ・サービスは毎日利用して楽しんだり、情報を取得することで価値を発揮したりするものだからです。そのほか、ヘルスケアアプリ、献立アプリなども該当するでしょう。

極端な例ですが、MAUが100万人、DAUが35,000人のニュースアプリがあったとしましょう。単純計算で、アクティブユーザー1人につき、1カ月に1回しかアプリを利用していないことになります(MAU:100万人≒DAU:35,000人×30日)。1カ月に1日しか利用されないニュースアプリは決して成功しているとはいえません。DAUを伸ばす施策が必要といえます。

また、1日という短期間を計測単位としていため、広告キャンペーンによる短期的なユーザー獲得効果を測るのにも適しています。

WAUの意味とWAUを計測すべきアプリ・サービス

WAUとは、特定の1週間にアプリ・Webサービスを利用したユーザーの実人数を示す指標。英語の「Weekly Active Users(ウィークリー・アクティブ・ユーザー)」の頭文字を取った略語です。

WAUの計測を重要視したいアプリの代表例として挙げられるのは、マンガ・雑誌アプリや動画配信サービスです。これらは毎日利用することが必須でなくとも、週に一度程度は習慣的に利用することが、ユーザーに取っての価値となり得るからです。

例えば動画配信アプリをイメージしてください。毎日、視聴する時間はなくとも、週末にまとめて映画を見るといった利用シーンが思い浮かぶのではないでしょうか。こういった利用シーンを想像できる場合は、WAUをKPIとして計測することに大きな意味があります。

ユーザーのアプリに対する愛着度を測れるDAU/MAU比率

MAUを他の指標と組み合わせることで、様々な有益な示唆を得ることができます。その代表例がDAU/MAU比率という指標です。これは言葉そのままにDAUをMAUで割った数値(%で表現する)。どの日付のDAUを使用するかは目的によって異なるのですが、MAUとの比較をする必要上、MAUの対象としている月の平均DAUを用いるのがわかりやすいでしょう。

例えば、ある1カ月のMAUが100万人、その1カ月の平均DAUが60万人だったとします。このとき、DAU/MAU比率は60%です。つまり、1カ月の実際の利用者100万人のうち、60%が毎日利用してくれたということ。さらに言い換えると、100万人のアクティブユーザーが、それぞれに1カ月の60%の日数、つまり18日利用してくれたということです。

数値の意味合いを見るとわかる通り、DAU/MAU比率は、そのアプリやサービスに対するユーザーの依存度や愛着度を示す指標として利用されています。DAU/MAU比率がスティッキネス(粘着性)という別名を与えられているのもこのためです。

【事例付き】MAUを改善・増大させる方法

MAUや関連指標としてのDAU、WAUについて理解できたところで、最後にMAUを改善・増大する方法についても紹介しておきましょう。MAUの改善手法には大きくふたつの方向性があり、それは新規ユーザーの獲得と既存ユーザーのリテンションレート(継続率)の改善です。

MAUをKPIツリーで表現すると、なぜ新規ユーザーの獲得と既存ユーザーのリテンションレート改善が必要なのかは一目瞭然です。MAUは「新規アクティブユーザー」と「既存アクティブユーザー」の合算で算出することができ、「新規アクティブユーザー」は「新規登録ユーザー」と「アクティブ率」の掛け合わせ、「既存アクティブユーザー」は「前の月のアクティブユーザー」と「リテンションレート(継続率)」で構成されているからです。

■MAUを改善・増大するためのKPIツリー

■MAUを改善・増大するためのKPIツリー

新規ユーザーを獲得する

新規ユーザーを獲得(アクティブ)するために実施すべき方法には以下のようなものがあります。

  • 広告・プロモーションによって新規登録ユーザーを増やす
  • アプリやサービスの初回体験を改善してアクティブ率を向上させる
  • プッシュ通知やメルマガを利用してアクティブ率を向上させる

新規登録ユーザーの増大施策はシンプルに考えるといいでしょう。広告や各種プロモーションによって認知を向上させ、インストールや会員登録に至る機会を増やせばいいのです。

アクティブ率の改善については大きくふたつの施策を検討する必要があります。ひとつは、登録した直後のユーザー体験の改善です。初回利用時にユーザーにとって十分なサービスを提供することで、実際に利用するユーザーを増やす手法です。

さらに、プッシュ通知やメルマガを利用して、アプリやサービスについて思い出してもらい、実際の利用を促進することも大切。この際に初回利用特典やキャンペーンなどを案内するとより効果的に利用を促すことができるでしょう。

既存ユーザーのリテンションレート(継続率)を高める

既存ユーザーのリテンションレート(継続率)の改善は一朝一夕にできるものではありません。アプリやサービス自体の本質的な価値を向上し続けることが求められるからです。前月に利用したユーザーも、利用時に提供されたサービスが悪ければ、次月には利用してもらえないかもしれません。リテンションレート改善の方法は多岐にわたるので、下記の成功事例や先進的なノウハウを参考にするといいでしょう。

アプリ収益最大化サービス

Webとアプリの
売上最大化ツール
「Repro」

資料ダウンロード お問い合わせ

Webとアプリの
売上最大化ツール
「Repro」

資料ダウンロード お問い合わせ

PAGE TOP