【海外ノウハウ】プッシュ通知でやって良いこと、いけないこと

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2022.12.16
【海外ノウハウ】プッシュ通知でやって良いこと、いけないこと

目次

プッシュ通知はユーザーを惹きつけ、チャーンを防ぎ、ユーザー復帰を促すほどの重要な役割を果たします。しかし、ユーザーの31%は週に6~10通もの大量のプッシュ通知によりアプリの利用をやめてしまった経験があるため、適切に活用することが重要です。

ユーザーに迷惑がられないためにも、プッシュ通知でやって良いことといけないことを理解し、プッシュ通知を活用するための効果的な戦略を立てることは重要です。本記事では、まさにこのテーマをご紹介します。では始めていきましょう。

この記事は、Qonversionのブログ ”Push Notifications: Do’s and Don’ts of Best Mobile App Communication Tools” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Revenue Wire in English under the permission from the company.

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プッシュ通知の種類

プッシュ通知の活用方法について話す前に、まずは多数存在するプッシュ通知の種類を知っておきましょう。

1. トランザクション通知

取引状況を知らせるために配信される通知です。アプリで注文したときや、オンライン決済が完了したとき、コンバージョンを高めるペイウォール(デジタルメディアがコンテンツを有料化し、アクセス制限を設けることで、それに伴う対価を支払ったユーザーや有料会員のみが全コンテンツを利用できる仕組み)に登録したときに表示されることがあります。一般的に、これらの通知はアプリでの取引が順調に行われているかどうかの進捗状況を伝えるためのもので、ユーザーに安心してアプリを使ってもらうために利用されています。

2. お知らせ通知

新規リリース、プロダクトの変更、その他関連性のあるアップデートについてユーザーに通知します。ユーザーにより良い体験をしてもらえるよう、常に課題解決に取り組んでいることを伝えることができます。また、エラー発生時の通知にも利用されます。

3. 位置情報による通知

ユーザーが特定の場所に出入りするたびに通知されます。この通知はマッチングアプリで良く利用されます。近くのお店やレストラン、ホテルを探すときも同様です。

4. プロモーション通知

ユーザーへの限定キャンペーンやセール、プレゼントなどの情報を配信する通知です。これらの通知は、ユーザーが商品やサービスの購入などのアクションを完了するよう促すために作られています。

5. パーソナライズされた通知

各ユーザーの興味や行動に基づいてカスタマイズされた通知です。ユーザーの閲覧履歴やお気に入り製品、過去の購入品などに基づいて作成されています。このようなプッシュ通知はユーザーに対して自分にとって価値があると感じさせることができるため、リテンション率とチャーンレートのカギとなります。

6. トリガー通知

ユーザーのカスタマージャーニーにおける最もインパクトのある瞬間に起動させることができる通知です。このメッセージはパーソナライズされており、ユーザーが特定のアクションを完了させた場合、または反対に特定のアクションを完了させる前に行動をやめてしまった場合に配信されます。

7. フィードバック通知

アンケートやAppストアの評価を通じてユーザーのフィードバックを収集することを目的とした通知です。この通知はユーザーがストレスを感じ、アプリをアンインストールする原因になるので、頻繁に配信しない方が良いでしょう。

プッシュ通知でやるべきこと

さて、プッシュ通知がどんなものでどの種類の通知を活用すればいいのか分かったところで、プッシュ通知のベストプラクティスについてご紹介します。

メッセージは明快にする

どのようなコミュニケーションにおいてもメッセージは明快であるように努めるべきですが、プッシュ通知であればなおさらです。通知には常に一貫性を持たせ、クリックした後にユーザーが誤解を招くようなことがあってはなりません。例えば、20%割引の広告を打ったにもかかわらず、10%割引のページにリダイレクトされるようなことが無いようにしましょう。

タイムリーなリマインダーや緊急のニュースを配信する

ユーザーに満足感を与え、通知の配信からオプトアウトされないようにするには、タイミングが重要です。モバイルアプリユーザーが価値を感じるアップデートや変更情報を適切な時間に配信できるようにプッシュ通知の戦略を考えなければいけません。

例えば、旅行アプリの場合、遅延や時間の変更など、旅行のスケジュールに関わる重要な問題が発生した場合、通知を配信して旅行中のユーザーを手助けする必要があります。要は、ユーザーのニーズを最優先に考え、最も必要なタイミングで通知を配信することが重要です。

■DISNEY WORLDのプッシュ通知

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パーソナライズされたコンテンツの紹介

広範な分析と消費者行動のインサイトに満ちた現代社会において、パーソナライゼーションは必須です。ユーザーはそれに期待しており、その期待に背いてしまうと問題が発生します。

実際に、2019年の調査では90%ものアメリカの消費者はパーソナライズされていないメッセージは不快だと感じています。したがって、モバイルアプリビジネスで成功するにはパーソナライズされたコミュニケーションが必要不可欠です。

プッシュ通知をパーソナライズさせる良い方法として、ユーザーのアプリ内における行動データに基づいた、各ユーザーに最も関連性の高いコンテンツや最新情報を紹介するというものがあります。

例えば、ユーザーが興味を持つであろうコンテンツがリリースされるときに、プッシュ通知を配信します。新製品ができるたびに、通知を配信するわけではありません。ユーザーが興味を持って読むであろう(もしくは聞くであろう)コンテンツだけを配信するようにしましょう。

■Spotifyのプッシュ通知

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チャーンデータに基づいてスケジュールされた通知を配信する

チャーンはどのビジネスにおいても避けられない要素であり、モバイルアプリでは計測しなければならない指標です。したがって、チャーンを防止することはアプリマーケターやデベロッパーにとって最も重要な優先事項のひとつです。

このような場合、プッシュ通知が役に立ちます。具体的にいうと、ユーザーがアプリから離脱しそうなときにリエンゲージメントするのです。ユーザーがどの月により多く登録解除しているのかが分かれば、そのデータに基づいて、プッシュ通知を作成し、配信停止期間の数カ月前から配信を開始し、アクティブでないユーザーに関心のあるオファーを提供することで興味を持たせることができます。

■Qonversionによるコホート分析

qonversionanalytics

上の例から、最初の数カ月が最も大きく落ち込んでいることが分かります。したがって、この期間でユーザーにサブスクリプションの価値を再認識させ、エンゲージメントを高めるのは良いアイデアです。

■SoundCloudのアプリ内通知

soundcloud再生可能時間が伸びました

一般的に、アクティブではないユーザーが必ずしもアプリから離脱するわけではないということを覚えておいてください。特にモバイルアプリでの離脱防止、リエンゲージメント施策を行っているのならなおさらです。

■BUMBLEのプッシュ通知

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リテンションに効果的なオファーを提供する

先述したように、チャーンデータに基づいたプッシュ通知は必須です。しかしながら、戦略を充実させるためには、リテンションを改善する、もしくはユーザーを現在のプランからアップグレードさせるようなプッシュ通知も提供しなければいけません。

■CLASH OF CLANSのプッシュ通知

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ユーザーが離脱しそうになったり、登録解除しそうなときは、ユーザーが継続しそうなコンテンツを提供しましょう。これはユーザーの行動データに基づいたものでも良いですし、経験に基づいたものでも構いません。例えば、20%割引が過去に効果的だったのなら、その施策を続けましょう。

同じように、期間限定のキャンペーンやアプリ独自の施策など、キャンペーンを見逃すまいとする恐怖心から、ユーザーをアプリにとどめておくこともできます。

登録者イベントに基づくトリガー通知の活用

トリガー通知については先ほど少し触れましたが、今一度この通知の価値について強調しておきましょう。ご存じの通り、トリガー通知はアプリ内イベントが開催され、ユーザーがトライアルをキャンセルしたりサブスクリプションプランをアップグレードしたりするなど、特定のアクションを完了したときに設定されます。

trigger

ですので、プッシュ通知を自動化し、重要なイベントが発生したときに確実にリマインダーが配信されるようにすることは素晴らしい施策です。例えば、決済が通らず、再決済してもらう必要があるとき、カード情報を更新するよう促す通知をユーザーに配信する必要があります。これによって不本意な離脱を防ぐことができるのです。

一方で、新規ユーザーがトライアルを開始したとき、関連する通知を配信するのも良いでしょう。したがって、オンボーディングの過程を手助けすると、トライアルから課金登録者へのコンバージョンの可能性を高めることができます。

未購入に関する通知

ショッピング機能のあるアプリの場合、商品の購入が完了していなかったり、カゴ落ちしていたりする場合は通知を行う必要があります。これはパーソナライズに役立つだけでなく、本当に関心のあるユーザーであれば、忘れていた決済を完了する可能性が高くなるため、収益の向上に繋がるのです。

プッシュ通知においてやってはいけないこと

プッシュ通知に関するベストプラクティスをいくつか学んだところで、やるべきことを知っておくだけではなく、やってはいけないことも知っておくことが重要です。何事もやりすぎは良くありません。いくつかの失敗例を詳しく見ていき、同じようなミスはしないようにしましょう。

関心のない製品やサービスの広告を打つ

プッシュ通知で関係のない商品やサービスを宣伝するのは絶対に避けましょう。ユーザーは自分たちに関連性のないものを売ろうとしているのに気が付いて、通知に対して押しつけがましく感じてしまい、必要のないフラストレーションを与えてしまいます。

さらに、広告を配信し他の製品やサービスへリダイレクトさせることは、ユーザーがアプリから離脱し、ときには戻ってこなくなるなど、収益に悪い影響をおよぼします。

要点を外したメッセージを送る

「誕生日おめでとう」通知、「おはよう」通知など、どうでもいい通知は避けるべきです。タイムリーであっても価値が低い通知なら、ユーザーは苛立ちを覚え、プッシュ通知から完全にオプトアウトする可能性があります。最終的に、コミュニケーションを取る機会が制限されてしまうのです。

レビューをお願いする

AppストアとGoogle Playのレビューは、アプリの長期的な成功のために重要です。しかしながら、それをお願いするのは至難の業です。ユーザーも良い評価を獲得したいことは分かっていますから、1度や2度くらいなら尋ねても構いません。しかし、この種の通知は非常に邪魔になり、ストレスの原因になることがあるので、十分注意してください。

長文の文言を作成する

Business of Appsによると、理想的なプッシュ通知の長さは業種によって異なるそうです。健康、フィットネス、旅行、接客などの場合は、90文字でOKです。しかし、お得なクーポン、教育、トレーニングなどのアプリの場合は、20〜25文字が最適です。

したがって、プッシュ通知を作成する際はメッセージを簡潔にすることが非常に重要です。ユーザーは長文だと読まないので、せっかくのエンゲージメントの機会を浪費してしまいます。伝えたいことを手短に伝えるためにも、短くポイントを押さえた文章を作成しましょう。

プッシュ通知戦略の改善

お分かりの通り、プッシュ通知で成功を収めるにはある種、芸術的でなければいけません。 ユーザーを惹きつけつつ、押し付けがましくなく、コミュニケーションに無理がないようにする、絶妙なバランスが必要です。プッシュ通知を適切に行えば、大きな成果を上げることができるため、モバイルアプリのオーナーは見過ごすわけにはいきません。

通知作成に関するプロセスで悩んでいる方は、こちらの記事(リンク先は英語)が参考になると思います。

通知機能を使ってエラーを処理したい場合は、こちらのガイド(リンク先は英語)をお読みください。

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