ROIを考慮してアプリの新規ユーザー獲得施策を考えよう(リテンション分析を用いたアプリのグロースハック②)

Repro Journal編集部
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2020.03.01
ROIを考慮してアプリの新規ユーザー獲得施策を考えよう(リテンション分析を用いたアプリのグロースハック②)

目次

前回のおさらい

前回までの記事でリテンション分析の重要性やリテンション画面の見方についてご紹介しました。リテンション分析をするメリットのひとつは、獲得した新規ユーザーの継続率まで追うことで1ユーザーあたりのLTVを把握し、ROI(投資利益率)を考慮した獲得施策を考えることができるところです。

LTVとCPAの関係

今回は新規ユーザー獲得施策におけるリテンション分析の重要性と実際の利用事例についてご紹介します。ユーザー施策の評価をCPIや獲得したユーザーの数でしか見ていないアプリ事業者の方は、この記事を読んでROIを意識したユーザー獲得の考え方を身につけましょう! 

新規ユーザー獲得におけるリテンション分析活用法

活用例①:新規ユーザー獲得施策にかける予算の上限を把握する

新規ユーザー獲得施策を実行する前に獲得したユーザーから得る売り上げをシュミレーションしておくことで、その獲得施策にどれくらいまでコストをかけても良いか検討することができます。その結果、獲得施策の予算の上限値を決めることができるのです。

手順

STEP1. 獲得施策による新規DL数を試算する

獲得施策による新規DL数は、施策を実施することでリーチできる潜在ユーザーの総数に、実際にDLする人の割合を掛けることで試算できます。 DLs = Reach x CVR

例えばアプリの動画広告が30日間で10万人に見られ、200人に1人がDLすると仮定するとCVRは 1 ÷ 200 = 0.5%なので、新規DL数は500になります。

STEP2. 新規ユーザーの平均継続利用期間を把握する

次にリテンション分析画面で新規ユーザーの継続率を見てみましょう。

Reproリテンション画面

翌日継続率に注目すると、このアプリの翌日継続率は70%前後であることがわかります。言い換えると、1日で約30%のユーザーが離脱してしまっているということです。 離脱率がわかれば、アプリの平均継続利用期間を算出することができます。 Average Lifetime of a Customer = 1 ÷ Churn Rate1)

このアプリの場合、平均継続利用期間は 1 ÷ 30% ≒ 3.3 なので、平均的なユーザーは3、4日後にはアプリを使わなくなってしまうことがわかります。

STEP3. LTVを算出する

アプリの平均継続利用期間がわかればLTVも算出することができます。このアプリの日次ARPUが100円だった場合、LTVは次のようになります。 LTV = ARPU x Average Lifetime of a Customer

STEP4.期待売上を算出する

LTVに手順1で試算した新規DL数を掛けることで、このユーザー獲得施策によって期待できる売上金額をシミュレーションすることができます。 Revenue = LTV x DLs 330円 × 500 = 165,000円

活用例②:ROIの高い新規ユーザー獲得施策を把握する

継続率は施策を行う前の売上試算だけでなく、複数の施策の効果検証にも活用することができます。施策ごとに獲得した新規ユーザーのLTVとCPAを比較することで、投資対効果(ROI)の高い新規ユーザーの獲得施策がわかります。

活用例①のSTEP2~3と同様の手順でユーザー獲得施策ごとの平均継続利用期間を把握します。その後LTVを元に総売上を算出し、総売上からそれぞれのユーザー獲得施策にかけた費用を引くことで利益を出すことができます。2)実際にはユーザ獲得施策に直接紐づかない費用も考慮すべきですが、ここでは話を単純にするため簡略化しています。 Profit = Revenue – Cost

ROIは利益を費用で割ることで算出できます。ROIが100%を上回っていれば、投資対効果がプラスのユーザー獲得施策ということになるのです。 ROI = Profit ÷ Cost

CPA施策

上の図は3つのユーザー獲得施策のROIを比較しており、CPAのもっとも低いユーザー獲得施策Cは、ROIで比較するともっともパフォーマンスの悪いことがわかります。 このように、継続率を把握することでROI(投資対効果)を考慮した獲得施策の意思決定ができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。第二回ではアプリの新規ユーザー獲得における継続率の重要性についてご紹介しました。

「投資したコストに対してどれくらいの利益が出ているか?」という考え方はアプリに限らずどんなビジネスでも基本です!継続率を踏まえたユーザー獲得で投資対効果の高い施策を見つけましょう。 次回はリテンション分析を使ってアプリの成長につながっている機能を発見する方法をご紹介します!お楽しみに。

(※本記事は2016年7月21日に公開されたGrowth Hack Journalの記事を転載したものです。)

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