2024.02.26
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時は戦国、天下の趨勢はいまだ定まらず、日本各地の有力大名がしのぎを削っていた。己の武勇と知略を……ではなく、モバイルアプリの継続率を武器に!
百姓から町民、武士まですべての人がスマートフォンを持ち、領主の運用するアプリを利用する世界。アプリユーザーが即ち領民であり、臣下であった。ユーザーの数こそが大名の勢力そのものだったのだ。
戦国大名たちは獲得したユーザーの忠誠心をいかにして高めるかに苦心を重ねる。家康、秀吉、信長によるプッシュ通知戦争の幕が、今、上がった。
信長がアプリの継続率改善のために最優先であると考えたのは、アプリの重要性、利便性を「知ってもらう」こと。そのために、ユーザーの属性や行動を無視して、一律にアプリをアピールするプッシュ通知を配信しました。言い換えるなら相手のことを考えずに「送りつけた」「押しつけた」のです。
自分の都合を無視したプッシュ通知を受け取った領民や臣下はどう思ったでしょう。マンガでは「うんざり」と不快感をあらわにしていました。
Repro株式会社が行った「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」によると、プッシュ通知に不快さを感じたときの対処法として、「そのアプリを削除する」ケースが少なくないことがわかっています。特に、「自分に関係のないプッシュ通知が送られてくる」「内容を理解できないプッシュ通知が送られてくる」ケースでは、アンインストールしてしまう割合がそれぞれ28.3%、31.5%にも上りました。
プッシュ通知の安易な一斉配信がユーザー離れ、つまり、領民、臣下の国外逃亡を誘発してしまったのです。
■プッシュ通知に不快さを感じたときの対処法
※出典:「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」Repro株式会社
秀吉が着目したのは、ユーザーの行動観察とインセンティブの付与です。一見、とても領民や臣下に寄り添った政策のように見えます。しかし、大きな問題を抱えていました。行動の背景にある気持ちを正しく読み取ることができなかったのです。
マンガの中で臣下が「お米を買ったのにさらに買うだろうか……」と疑念を抱いています。それに対し秀吉は「農民から大出世したわしが言っておるんだ。間違いない!」と、自分のアイデアを押し通します。結果はご覧の通り。秀吉の送ったプッシュ通知は「自分には関係のないもの」とみなされ、領民の心はアプリから離れてしまいました。
このような失敗は、現実のアプリ運用にも往々にして発生するものです。原因は企業・運営者主体のデータ分析。顧客行動データを企業の視点で読み取ろうとした結果、偏った分析結果を導き出してしまうケースは少なくありません。それまでの成功体験が偏見を生み、正しい答えにたどり着けなくなってしまうこともあります。
プッシュ通知配信において何より重要なのは、企業や運営者の想いではなく、ユーザーがその瞬間に何を求めているかを正しく知ることです。信長の失敗の章でも紹介した通り、「自分に関係のないプッシュ通知が送られてくる」状態は、ユーザーを不快にさせ、アンインストールのリスクを生みます。
また、同調査では、「利用する予定のないサービスに関するプッシュ通知」と「自分の趣味嗜好に合わないプッシュ通知」が、特にそのアプリと自分との関係のなさを強調してしまうことがわかっています。サービス利用を促すプッシュ通知を配信するときは、細心の注意を払ったほうがよいでしょう。
■⾃⾝との関連性が薄いと感じるプッシュ通知
※出典:「アプリプッシュ通知に関するユーザーインサイト調査」Repro株式会社
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