2020.06.05
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この記事はApp Tweak社のマーケティングマネージャー、Laurie Galazzoからの寄稿です。
2018年2月現在、App Storeには200万以上のアプリがあり、アプリ市場はますます競争が激化しています。どれほど優良なアプリであってもASO対策をしっかり行っていなければ、他のアプリに埋もれてしまうでしょう。
アプリの65%はApp Storeで検索された後にDLされています。多くのアプリが検索結果経由でDLされていることを考えれば、改めてASOの重要性を痛感するのではないでしょうか。
ASOはWebでいうSEOのようなものです。適切なASO対策を行えば、App Storeでユーザーにアプリを見つけてもらえる確率が格段に上がります。さらに、アプリが検索結果の上位に表示されれば、ユーザー数を一気に増やすことも可能です。
本記事では、ASOでもっとも重要なアプリ名とキーワードの設定について説明します。効果的なアプリ名とキーワードとは何か、データを基にしたASOの成功事例合わせてご紹介しますので、ノウハウを習得しましょう。
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前述した通り、App Storeには非常に多くのアプリが存在するため、ユーザーがアプリを見つけることは簡単なことではありません。
Mobile Growth Stack 2017
ASOで最も重要なのが、キーワードのリサーチです。App Storeのアルゴリズムは、アプリ名やiTunes ConnectのKeyword fieldに設定されている最大100文字のキーワードセットからインデックスしています。
iTunes Connect Keyword Field
そのキーワードでヒットするアプリの中から、インストール数やコンバージョン率、レビュー数などを考慮して表示する順番を決めているのです。
特に検索結果はアプリ名で大きく作用します。アイコンの横に表示されるアプリ名は、最初にユーザーの目に触れるものなので慎重に設定しましょう。
2016年9月1日より、Appleはアプリ名の長さを255文字から30文字に制限しました。2017年のiOS 11リリースとともに30文字以内へと縮小されています。技術的には30文字以上設定することは可能ですが、上限を超えると検索ランクの対象外にされてしまいます。また、アプリ名が長すぎるものはリジェクトされるようになりました。
App Store Review Guidelines にも記載がある通り、AppleはApp Storeでの検索結果の品質を重視しています。アプリ名に文字数に上限を設けたのは不要なキーワードを詰め込まないようにするための措置なのです。
タイトルにキーワードを入れることで多少順位は変わるかもしれませんが、多くのアプリがそのテクニックを使っているため、現時点での効果は微々たるものだと思います。
また、一部のアプリ開発者がアプリと無関係な人気キーワードを入れこんでアルゴリズムを狂わせてしまったことから、現在はインストール率の高いアプリから順番に表示されるようになりました。 知名度の高いアプリであれば、このアルゴリズムの変更による影響はほとんどないと思っていいでしょう。しかし、まだ知名度が低いアプリであれば、キーワードの設定とブランディングをうまく調整しなくてはなりません。
キーワード欄に設定されたキーワードより、アプリ名の方がアルゴリズムへの影響が大きいとされています。さらにいえば、アプリ名とキーワード欄両方にキーワードを入れた方がより効果が高まるようです。
有料アプリの『Pink Cloud』は、キーワード欄に入っているキーワードをアプリ名に追加したところ、検索順位が23位から3位に上昇しました。
また、キーワード数を2倍以上にしたことでカテゴリ内のランキング順位は67%も向上し、米国内のランキングで初めての1位を獲得したのです。
Rocket Internet社のEkaterina Petrakova氏も同様の結果を得たと言います。キーワード欄のキーワードを1つアプリ名に追加しただけでコンバージョンが40%も向上したそうです。
この変更はシンガポールとインドネシアで行いましたが、シンガポールではランキングが165位から64位に、インドネシアでは10位から1位に順位をあげました。また、カテゴリ内ランキングではシンガポールで149位から52位に、インドネシアでは65位から57位に上昇したそうです。
この例から分かるように、アプリ名に表記するキーワードはキーワード欄から選んで設定しましょう。
アプリ名はわかりやすく、特徴的なものでなければなりません。アプリ名、アプリアイコンと共に初めに表示される2枚のスクリーンショットに工夫を凝らすことで、検索結果に表示された情報を見ただけでどんなアプリかわかるようにしましょう。アプリを目立つものにするためにも、競合アプリをベンチマークしておきましょう。
アプリ名の文字数が制限されている中、一番効果的で関連性の高いキーワードを考えて設定しましょう。ちなみに、アプリ名はiTunesのURLに使用されるので、特殊文字の使用はできません。アプリ名がiTunesで正しく認識されないとapp IDがURLに使われることになりますので注意してください。
一説によると、キーワードはアプリ名の最初に入れた方が効果は高いと言われていますが、それを証明できる根拠は何もありません。
しかし、アプリ名の頭にキーワードを設定すれば、重要なキーワードは省略されず、ユーザーの目に留まる確率が高くなります。アプリによってはコンバージョン率が上がる可能性もあるかもしれません。キーワードの位置だけではランキングへの影響は低いとも言えるので、いくつかのパターンをテストしてみてもいいでしょう。
また、検索キーワードと完全に一致するアプリ名はランキング上位に上がってくるようなので気に留めておいてください。
もう1つ、キーワード検索の基になるのが、iTunes Connectのキーワード欄です。キーワード欄の文字数も以前より制限されているので、同じキーワードを2回以上設定したり、アプリ名と同じキーワードを入れたりしないようにしましょう。
キーワード同士の間にスペースが入っていた場合、検索アルゴリズムはそれをセットでキーワードと認識してしまいます。キーワード同士の間にカンマを入れることで、それぞれを単体のキーワードと認識し、アプリが認識されやすくなるのです。
例えば、「フィットネス 管理」とインデックスされたい場合は「フィットネス 管理」ではなく「フィットネス,管理」と設定してください。そうすることで「フィットネス」や「管理」の検索した場合も表示されますし、「フィットネス 管理」や「管理 フィットネス」でも表示されるようになります。
キーワード欄は10個から12個のキーワードを設定できるので、組み合わせて検索されやすいキーワードを設定しましょう。
ただし特殊文字を使ってしまうと、リジェクトされてしまう可能性があるので注意してください。キーワードを英語で入れる場合は、複数形ではなく単数形で入れましょう。
アプリ名とキーワード欄に設定するキーワードの選定方法について説明します。アプリの機能に近いキーワードを可能な限り洗い出しましょう。それらのキーワードをA/Bテストしながら、設定するキーワードを決めていきます。
ASOの初心者の人がやってしまいがちなミスが、検索数に基づいてキーワードを洗い出してしまうことです。検索数が多いことはもちろん重要ですが、優先順位の高い要素ではありません。まずはアプリに合ったキーワードを洗い出しましょう。様々な方法があると思いますが、キーワード選定での優先順位を説明します。
アプリの目的とコアとなる機能を説明できるキーワードを選択しましょう。コンバージョン率はキーワードランキングに大きな影響を与えます。キーワードランキングからのコンバージョンが低いとランキング順位も下がるため、DLされやすいキーワードを選定しなければいけません。
長めのキーワードを設定しても良いでしょう。長めのキーワードは競合が少ないです。そのため検索結果の上位に表示されやすくなり、DLされる確率も高くなるのです。
ユーザーはランキングの10位以下を閲覧しない傾向にあるため、10位以内に入ることが必須です。ランキング上位に入るには、競争率の低いキーワードを選ぶことも戦略の一つです。
常にランキングをモニターし、ダウンロードトラフィックが多くコンバージョンの高いキーワードは残しつつ、コンバージョンの低いキーワードは新しいキーワードへと変えていきましょう。
競争率の高いキーワードで攻めるかどうかは、競合アプリのランキングを見ながら検討してください。守る場合は競争率が低めのキーワードを設定する場合は、すでにランキングに入っているキーワードが10位以内に残れるように注意を払いましょう。攻める場合は競合と同じキーワードを設定し、競合をランキングから追い出さなくてはなりません。どちらも試してみましょう。
キーワードの検索数を見て最終決定をします。似たようなキーワードで迷った場合は、検索数の多い方を選択してください。
AppleのSearch Adsは多言語対応をしており、正確なDL数が割り出せるようになることを期待されています。
繰り返しますが、人気のキーワードで低いランキングに入るより、ランキング10位以内に入れるキーワードを設定しましょう。「フィットネス エクササイズ 管理」のキーワードで5位に入る方が「フィットネス」で345位に入るより価値があるのです。
ここで、IncipiaのGabe氏のユニークなアプローチをご紹介しましょう。 初めは人気のキーワードを設定して、ランキングに入らなければ徐々に長めのキーワードに変えていく。そして、長めのキーワードでランキングに入るようになったら、また人気のキーワードに戻すという方法です。このように、様々な方法を試してみるのも一つの手です。
8bit.comのThomas Petit氏のキーワード戦略も興味深いです。
Thomas氏は人気のあるキーワードの設定は意味がなく、ARPUの高いキーワードを設定する方が効果的であると提言しています。
ARPUは、特定期間の収益をアプリのアクティブユーザー数で割った値、つまり1ユーザーあたりの平均収益を指します。Thomas氏はGoogle AdwordsやSearch Adsを利用してARPUの高いキーワードを選んでいるそうです。
「フィットネス」や「栄養」は検索数が多くてもARPUは低いので、彼のアプリに使用されることはありません。
Thomas氏はキーワードをコンセプトごとにまとめて、一番ARPUの高いものを選んでいます。「ワークアウト」「ワークアウト アプリ」「自宅でのワークアウト」「ワークアウト 方法」といったキーワードを一斉に比較したところ、一番ARPUが高かった「ワークアウト」が『8fit』のアプリ名になりました。
検索数はキーワードを決める上で重要な指標となりますが、検索数だけで決めるのは最適とは言い難いもの。正確なデータから分析を行い、適切なキーワードを選定すべきでしょう。
App MastersのASOコンサルタント、Steve Young氏も、検索数が少ないキーワードでランキング上位に入ることが有用だと唱えています。
Young氏は、ASOによってクライアントのアプリのインプレッション数を2倍に伸ばすことができましたが、DL数を増やすことはできませんでした。ランキングは11位から6位に伸びましたが、それだけでは足りません。
3位以内に入らないとDL数が変化しないかもしれないと考えたYoung氏は、「検索数をブーストさせる」キャンペーンを実施しました。複数のユーザーに特定のキーワードで検索させてアプリをDLしてもらうことで、ランキングをあげようとしたのです。
この施策が功を奏し、クライアントのアプリは特定のキーワードで1位を獲得しました。別のクライアントのアプリは6日程度で166位から2位になりました。
しかしながらこれはBlack Hat ASOという非常にリスクが高い方法であるため、場合によってはアプリが掲載禁止になるかもしれません。友人や家族、同僚に特定のキーワードを検索してもらってDLを依頼する程度であれば、リジェクトされないかもしれませんが、もしもこの手を利用する場合は十分に気をつけてください。
アプリ名とキーワード欄はどちらも文字数が決まっているので、設定するキーワードは慎重に決めざるを得ません。ですが、Appleは英語圏以外の国ごとにキーワードを設定することができるため、ローカライズすることでキーワードスペースを増やすことができるのです。
さらにローカライズを行うことでDLを促進させることもできます。 『for-sale.co.uk』というフリマアプリの成功事例をみてみましょう。
このアプリはもともとフランスでリリースされたものでしたが、イギリスのユーザーからのアクセス数が多いことがわかり、すぐさまローカライズ版をリリース。リリース後、イギリスでのアプリのインストールは33%、セッション数は16%、アクティブユーザーは14%増加しました。
Phitureのコンサルタント専門家であるMoritz Daan氏が実施した調査によると、国によってキーワードの設定数を増やすことが可能であることが分かったのです。
アメリカでは、スペイン語 (メキシコ) と英語 (アメリカ) がランキングに影響します。アプリがスペイン語 (メキシコ) にローカライズされていない場合、アメリカ版App Storeでスペイン語 (メキシコ) のキーワードは認識されるのです。
また、カナダ以外の国でも、この手法でキーワードを増やせることがわかりました。例えば、英語 (イギリス) のアプリをフランスにローカライズするとしましょう。「Hotel」をフランス語版のキーワードセットに入れ、「booking」を英語 (イギリス) 版のキーワードセットに入れると「Hotel booking」というキーワードも認識されるということです。
アルゴリズムのバグが原因かもしれませんが、英語 (オーストラリア)で設定したキーワードは全アプリへのランキングに影響するようです。『8fit』は2016年11月24日にオーストラリア版アプリに「fitness」というキーワードを追加しました。
以下グラフからは、11月24日以降「fitness」キーワードのランキングが劇的に上がっていることが見てとれます。このキーワード経由でのコンバージョン率もぐんと上昇しました。
アプリ名とキーワードを刷新させたら、アップデートによる影響を慎重に追っていきましょう。 App Storeのアルゴリズムは、新しいキーワードをインデックスするのに2週間ほどかかります。また、Appleでは全ての新規リリースアプリを7日間ブーストする仕様になっているため、時間とともにランキングの結果が落ちていく様子を見ることになるかもしれません。
アプリはアルゴリズム的にもマーケティング的にも、適度にアップデートされることが望ましく、ASOの更新も4週間から6週間ごとに行うことで効果を発揮します。ASOだけでなく、アップデートを利用して、新しい機能の追加やバグの修正をしてアプリを改善していきましょう。
ASOは日々PDCAを回してアップデートしていくものです。キーワードの最適化は一度だけではなく、テストと調整を繰り返しながら最適化していかなくてはなりません。1つのキーワードセットにつき数週間は様子を見て効果を測定しましょう。
常に更新しているApp Storeにも迅速に対応していきながら、PDCAを回して検索ランキングを上げていきましょう。
この記事は、apptamin社のブログ"APP STORE OPTIMIZATION (ASO): APP NAME AND KEYWORDS"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on apptamin in English under the permission from the author.
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