撮った写真や作成した動画クリップを、加工せずにそのままの形で楽しむことがほとんどない時代となりました。多くの人達がフィルターをかけたり、ステッカーを貼ったり、コメントを付け加えたりと、写真や動画をすっかり変えてしまうような加工をします。写真/ビデオアプリが、ユーザーに最も愛されるアプリとなっているのもおそらくこのためでしょう。
StatistaがApp Storeにおけるアプリのダウンロード数を調査した結果、「写真/ビデオ」カテゴリがトップ3に入っていることがわかりました。Google Play ストアでも同様に、写真カテゴリが第4位にランクインしています。しかしユーザーが素晴らしい写真や動画を作成する時に役立つような画期的なアプリを開発することは、アプリオーナーにとってはどれだけ難しいことなのでしょうか?さらに重要な点として、写真/ビデオアプリをプロモーションするためには、どのような方法が最も適しているのでしょうか?今回はこの2つの疑問にお答えします。
ビジネスモデル
どのカテゴリに属するアプリであろうと、アプリを開発したら、そこから収益を得る方法を検討することが非常に重要となります。App AnnieがiOS端末用の写真/ビデオアプリ、そしてAndroid端末用の写真アプリの、アメリカにおけるトップセールスランキングを発表しているので、まずはこちらをチェックしてみましょう。
どのタイプのアプリが顧客に人気かというのは、一概には言えません。というのも、大半のアプリがプラットフォームによって異なるカテゴリに属しているためです。例えばSnapchatとInstagramの場合、iOSユーザーは「写真/ビデオ」カテゴリに属しますが、Androidユーザーには「ソーシャルネットワーク」カテゴリに属します。YouTubeでも同じような現象が見られ、Android端末では「動画再生プレーヤー&エディタ」に属しています。
また収益に注目して2つのOSを比較してみると、最も大きな違いとして、無料アプリと有料アプリのどちらにおいても、App Storeの方がGoogle Play ストアよりもアプリ内課金のあるアプリが多いということがわかります。これは皆さんも既にご存知の通り、iOSユーザーの方がAndroidユーザーよりアプリにお金を使う傾向にあるためです。アプリの価値が十分に高い場合は、この傾向はほとんど関係ない場合もあります。
ImageSource: https://www.appannie.com/en/apps/ios/top/united-states/photo-and-video/iphone/
ImageSource: https://www.appannie.com/en/apps/google-play/top/united-states/application/photography/
アプリの目的とターゲットを明確にする
説明に入る前に、App Annie発表のランキングをもう一度よく見てみましょう。するとランクインしているアプリのほとんどが、明確な目的を持っていることがわかります。例えばユーザーの顔から気に入らない部分を消すためのアプリがあります。他にも赤ちゃんの写真をいちばん可愛く撮ることを主な目的としたアプリや、ある画像に楽しい要素を追加するために開発されたアプリもあります。
コードを書き始める前の準備として、どのような目的があってアプリを開発しようとしているのか、その理由を考えてみましょう。そうすることで、ターゲットとすべきオーディエンスがわかります。アプリによって我が子を自慢したいパパ・ママを主なターゲットとする場合もあれば、写真うつりを良くしたいという若いユーザーがターゲットとなる場合もあるでしょう。
この点に関しては、「BabyPics」を紹介しないわけにはいきません。赤ちゃんが生まれたばかりのパパ・ママに対し、このアプリがどのような働きかけを行っているのか、ぜひチェックしておきましょう。
ImageSource: https://itunes.apple.com/us/app/baby-pics-photo-editor/id965474816?mt=8
今すぐ始める
アプリが人気を得るためには、今すぐプロモーションを開始すべきです。プロモーションを始めないことには何の進展も得られませんし、待っていてもいいことはありません。戦略を始める時期が早ければ早いほど、大きな成果が得られるのです。
また、プロモーションに使うクリエイティブは、どれも潜在顧客の期待に沿ったものであるよう心がけましょう。これまでにも繰り返し言ってきたことですが、アプリページの最適化はどのアプリオーナーにも必須の施策です。さっそく最適化を始めましょう!
さらに、顧客を引き付けられそうなマーケティングテクニックは何でも取り入れていきましょう。例えばユーザー生成コンテンツを利用したり、コンテンツマーケティングを導入したりすることで、驚くような結果が得られます。写真/ビデオアプリには、ゲリラマーケティングも効果的な手段のひとつです。ここで「Nikon」の戦略を見てみましょう。これを参考にすれば、大胆かつ効果的な方法でユーザーに衝撃を与えることができます。
ImageSource: https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mypicturetown.gadget.mypt&hl=en
テクノロジーを活用する
モバイルアプリの中でも特に写真/ビデオアプリには、今や人工知能と拡張現実は欠かせません。このようなテクノロジーを搭載していないアプリは、使い物にならないのです。「Prisma」はオーバーレイを使っていません。その代わりに機械学習のアルゴリズムを使い、画像を一から描画しています。このようなアプリは簡単に開発できるものではありませんが、数あるアプリの中でもひときわ優れたアプリと認められるためには、人工知能などの新たなテクノロジーに投資した上で、ユーザーに極めて品質の高製品を提供する必要があります。唯一無二のアプリを開発し、どこにもない特別な機能でユーザーを魅了しましょう。
ImageSource: https://itunes.apple.com/us/app/prisma-photo-editor/id1122649984?mt=8
共有機能を用意する
素敵な画像や動画を作ったところで、自分ひとりでしか楽しめなければ全く意味がないと思いませんか?ユーザーが自分の生み出した作品を、友人と共有できる機能を用意しなければなりません。もちろん、作品と同時にアプリをシェアできる機能も用意しておきましょう。作品を共有したいというユーザーのニーズを無視してしまっては、写真/ビデオアプリを開発することなどできません。
どのようなマーケティング戦略を採用するにしても、ユーザーがアプリを使って各々の意見を共有できるようにしておくことが、ブランドを話題にしてもらい、多くの新規ユーザーを獲得するための秘訣です。共有機能があれば、ユーザーは自分の作品を自慢できます。これがアプリを愛用してもらえるきっかけともなるため、ユーザーだけでなくアプリオーナーにとっても嬉しい機能です。
『TikTok』は、ユーザーが動画をデザインし、さらに友だちとコラボレーションできるということで、多くの人に愛用されるアプリとなりました。トップセールスの上位に入るのも納得です。『TikTok』は”動画コミュニティ”を実現したアプリです!
ImageSource: https://itunes.apple.com/us/app/musical-ly-video-social-app/id835599320?mt=8
最後に
写真/ビデオアプリのプロモーション方法は、どのような方針でアプリを開発するかにより異なります。そのため今回の記事で紹介したコツは、マーケティング理論の中でもある意味特殊なものだったかもしれません。
写真/ビデオアプリでは、ターゲットとするユーザーを分類し、最も革新的なテクノロジーを使って、ユーザーが知人と創作物を共有できるようにした上で、戦略をいち早く開始しましょう。
この記事は、AppSamurai社のブログ"How To Promote Photo & Video Apps"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.