この記事は、「Incipia」のIs Apple Search Ads Conversion Data Reliable?を翻訳したものです。
今回はApple Search AdsのDL数(※管理画面上では “DL”)について行った、2つの調査についてご紹介します。1つ目は、Search AdsにおいてDLが発生するまでの時間についての調査。2つ目は、AppleによるSearch AdsのDL数のレポートと、モバイル計測パートナー(MMP)のDL数のレポートにおける差異についての調査です。
キャンペーンのCPA
DLが発生までの時間に関する調査では、10社を対象にユーザーがSearch Adsをタップした日から、キャンペーンのCPA (顧客獲得単価。CPIともいう) がどのように変化していくのか、1週間にわたり調べました。その結果、次のような興味深い発見がありました。
- CPAは最初の1~2日間に減少するが、それ以降は減少が止まる傾向にある。例えば、5月5日に広告がタップされたとすると、CPAは5月6日と5月7日には減少するが、5月8日からは減少しない。
- CPAはタップ後に必ず減少するが、減少が1日だけで止まる場合もある。
- CPAの平均減少率は全体で約41%である。つまり、タップされた日のCPAが$10であれば、2日目には$5.90まで下がることが予想される。
- タップされた日とその翌日のCPAを比較した場合、CPAの平均減少率は約36%。
- タップされた日の翌日と翌々日のCPAを比較した場合、CPAの平均減少率は約18%。
Search Adsでは、Appleは最初のタップから30日間のDL数を記録しています。つまり、1日ごとのCPAの減少率を計測しているわけではないので、Appleのレポートだけを見ると、CPAは1ヶ月の間減少し続けているように見えるかもしれません。しかし、この1週間の調査を通して、タップされてから最初の1~2日の間に多くのDLが発生しているということがわかりました。
AppleのレポートとMMPのレポートの比較
次に行った調査では、AppleのレポートとMMPのレポートを比較してみました。5社を対象に、3日から1週間単位でのレポートを比較したところ、驚くべき結果が得られました。なんと、ブランド関連キーワードのDL数ですら、相違が見られたのです。
- 全体 Search Adsの平均DL数 = MMPより約56%高い
- ブランド関連 Search Adsの平均DL数 = MMPより約65%高い
- 完全一致 Search Adsの平均DL数 = MMPより約48%高い
- 部分一致 Search Adsの平均DL数 = MMPより約72.19%高い
- 検索マッチ Search Adsの平均DL数 = MMPより約60.63%高い
「AppsFlyer」によると、このような違いが生まれてしまう原因には次のようなものが挙げられます。
Appleのレポートは、広告のボタンをタップしただけでもDL数として計測しているのに対し、MMPのレポートは、実際のDL数やDL後にアプリを開いた時にDL数として計測している。 AppleのレポートはMMPのレポートよりもデータの計測に遅れが生じるため、データの正確性がMMPのレポートよりも正確性に欠ける可能性がある。 LAT (追跡型広告の制限) を有効にしているユーザーの場合、AppleはこのユーザーのDLを計測しているが、MMPにはこのDLを計測できていない。
この調査の結果から、Search Adsのパフォーマンスを適切に計測するためには、AppleのDLデータのみに頼るのはなく、MMPを統合させ、正しいデータを得ることが重要だとわかりました。
この記事は、INCIPIA社のブログ" Is Apple Search Ads Conversion Data Reliable?"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on INCIPIA in English under the permission from the author.