2020.11.04
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前編では、Twitterのアプリ広告のフォーマットや、広告を利用しているアプリのカテゴリをご紹介しました。今回は、Twitterにおけるアプリ広告の仕組みと事例をご紹介していきます。
ここでは、Twitterアプリインストール広告の最適化オプションと、課金の対象になるアクションについて記述しています。
ダウンロード数とクリック数だけでは、UAC(ユニバーサルアプリキャンペーン)や、Facebookにおけるアプリイベントの最適化のように、アプリをダウンロードしてもらった後のアプリ内イベントの最適化ができません。
しかし、他のプラットフォームやネットワーク上でのアプリインストール広告と同様に、Twitter広告においても、アプリをダウンロードしてもらうだけではなく、アプリを使い続けてくれるロイヤリティの高いユーザーの獲得が最も重要です。
そのため、アトリビューション分析で、ユーザーがアプリをダウンロードするまでの経緯をトラッキングし、ユーザー獲得だけでなく、パフォーマンスを比較する必要があります。
この一環として、Twitterのダッシュボードで、広告のアトリビューション分析をする期間(この期間に発生したアプリのダウンロードが、Twitterがきっかけで発生したダウンロードとして記録されます)を設定する必要があります。初期設定では、最初のクリックから30日間、最初の閲覧から1日となっています。
※Twitterのアトリビューション分析における2種類のCV(出典:Twitter)
最後に、トラッキングするアプリ内イベントを設定しましょう。これは、サインアップ、検索、カートへの商品の追加、購入などが当てはまります。
トラッキングするイベントは、あまり多くしすぎないようにして下さい。また、それぞれのイベントに適切なCVを設定しましょう。例えば、UAC(ユニバーサルアプリキャンペーン)は、1日当たり約50個のCVを推奨しています。まずは、ファネルの下層部にあたる商品の購入など、アプリ内イベントから始め、ユーザーの行動への理解を深めましょう。その後、ファネルの上層部に値する、アプリを初めて閲覧したユーザーなどの分析をし、CVを増やすのが理想的です。
テイラードオーディエンスを使用することで、以下のことが可能になります。
テイラードオーディエンスを作成するために、ユーザーリスト(IDFAまたはAAID)をTwitterにアップロードしましょう。それを元にTwitterがユーザーのIDと照合してくれるのです。
適切なTwitterユーザーのターゲティングや、リアルタイムに情報収集できるTwitterの特徴を考慮した正しい広告表示のタイミングを設定するために、さまざまなオプションがあります。
※Twitterのターゲティングオプション(出典:Twitter)
ユーザー名ターゲティング
何人かのユーザー獲得のエキスパートの洞察によると、ユーザー名(@の後に続くもの)を指定したターゲティングが最も効果的だと言われています。
キーワードターゲティング
キーワード(ハッシュタグ)によるターゲティングは、リアルタイムで起こっており、今まさにトレンドとなっている事柄でなければなりません。これは常に変化するものなので、継続したメンテナンスが必要になります。
「ユーザー名ターゲティングやキーワードターゲティングの他に、ニュースカテゴリのアプリをダウンロードしたユーザーをターゲットにしましたが、このターゲティングは良い結果を出しています。」
- Fabien-Pierre Nicolas氏、米国マーケティング本部責任者@SmartNews
以下は、ターゲティングに関するTwitterからのコメントです。
「一般的に、ターゲティングに関するベストプラクティスは、ユーザー名ターゲティングであると言われています。
何を目的としたアプリインストール広告であるかによって、ターゲティングの推奨事項が以下のように異なります。
- 新しいユーザーからのCVの獲得を目標とする場合は、ユーザー名、キーワード、フォロワーが似ているアカウントなどを元に新規ユーザーをターゲティングし、テイラードオーディエンスで既にアプリをダウンロードしているユーザーを除外することをおすすめします。
また、ユーザーを絞り込むためのターゲティングオプションを追加すると、予測ツール上でユーザーの総数などを確認することができます。
アプリの起動またはアプリのDLのいずれかによって課金が発生することがわかりました。以下のいずれかの入札オプションを指定して、アプリの起動またはDLを最適化することができます。
※広告の規模と費用対効果のバランスを見つける
Twitter広告を開始する場合は、3つの入札オプション全てをテストすることをおすすめします。CPIでの入札は費用対効果が最も高く、DLされた場合にのみ課金が発生するため、リスクを最小限に抑えながら、ターゲティングや、さらには広告クリエイティブのベストプラクティスを探る機会を作ることができるのです。
広告の規模が大きい場合や、逃せないチャンス(アプリと関連のあるイベントやニュースなど)がある場合は、他の入札オプションを試してみるのも効果的です。アメリカのメンズファッションなどを取り扱うECサイト、「Touch of Modern」は、CPACを利用し、30日間で110%のROIを記録しました。
キャンペーンを開始するときは、成果があまり上がらなかったキャンペーンからベストなパフォーマンスをするキャンペーンに予算を移す前に、3~4日の時間を置いて予測ツールで広告の推定リーチ数を確認すると良いでしょう。
Twitterは、キャンペーンが継続している(潜在的なCVが発生している)ときに、始めは一貫してCPIが下がることが多いため、最適なパフォーマンスを見るには数週間(理想的には1ヶ月、少なくとも2~3週間)必要であるとしています。
ほとんどのプラットフォームにおいて、ビデオ広告はイメージ広告よりも高い入札額が必要になります。しかし、イメージ広告と比較すると、ビデオ広告のほうがユーザーの関心を引き付けやすく、アプリをDLする前の段階でモチベーションを向上させることができます。
Twitterアプリインストール広告では、十分な効果が得られない場合、Twitterオーディエンスプラットフォームを通じて広告を拡散することもできます。
これは、UAC(ユニバーサルアプリキャンペーン)のAdMob、またはFacebookのAudience Networkと同様に、他のアプリやweb内で広告を表示します(基本的にはMoPub経由になります)。
以下は、新しく使用可能になったクリエイティブのスペックとフォーマットの一覧です。これらをすべてテストしてみることで、色々な効果が見ることができるでしょう。
※Twitterによると、Twitterオーディエンスプラットフォームでは、GIFのフォーマットが高い効果を発揮しているようです。
1. 1つの広告ごとに3~5個のクリエイティブを
Twitterは広告を掲載する企業に対して、1つのキャンペーンごとに少なくとも3~5個のクリエイティブを用意し、それぞれのキャンペーンごとのターゲットユーザーに適したクリエイティブをカスタマイズすることを勧めています。新規ユーザー、既存ユーザーなどを始めとする、さまざまなターゲティングオプションを検討しましょう。
ここで注意しなければならないのが、クリエイティブごとのパフォーマンスの結果を見ることはできないため、クリエイティブを1~2個に減らした状態でキャンペーンを展開する必要があるかもしれないということです。
以下は、イメージクリエイティブとビデオクリエイティブの使用に関してTwitterが共有したものです。
2. ユーザーの注意を引く
クリエイティブを作成する時は、鮮やかな色を使用して、イメージやビデオを目立たせましょう。
Twitterアプリインストール広告は比較的小さいため(Facebookのフィード広告よりも小さい)、Twitter広告では、他のどのプラットフォームよりも、モバイル向けの広告として考えることが重要です。小さな画面で見られることを想定して、あまりに多くの情報やテキストを詰め込み過ぎないようにしましょう。
また、ツイート本文を作成する際は、以下のポイントを参考にして下さい。
※ツイート本文のベストプラクティス(出典:Twitter)
3. どんなアプリなのかを紹介する
Twitterアプリインストール広告では、広告のクリエイティブだけではなく、実際にユーザーが利用することになるアプリがどんなものであるかを伝えるといいでしょう。これにより、具体的にどんなアプリの広告であるかを明確にし、ユーザーにアプリの価値を伝えることができます。また、実際にアプリをダウンロードしてもらった後も、ユーザーにアプリをスムーズに使ってもらうことができるのです。
4. 早い段階でどんなブランドなのかを伝える
ビデオアプリカードを使用するか、イメージアプリカードを使用するかに関わらず、クリエイティブは、あなたのブランドがどのようなものであるかを理解してもらえるように工夫する必要があります。ブランドのアピールは、誇張し過ぎず、アプリを紹介する中で自然に行うことが理想的です。
5. サウンドオフの最適化
FacebookやInstagramにおけるフィード広告と同様に、Twitterにおいてもサウンドオフの最適化が必須です。
ユーザーの音声設定によって異なりますが、ほとんどの場合、Twitterのフィードをスクロールするときには音が出ません。そのため、ツイート本文を活用したり、字幕をつけたりして、無音でも十分に内容が伝わるようにしましょう。
驚いたことに、多くのTwitterアプリインストール広告はこの最適化ができていません。
6. A/Bテスト
広告クリエイティブのA/Bテストは、Facebook広告では縦横比2:3または1:1、Instagram広告では言うまでもなく1:1を推奨しています。
※Twitter広告における正方形のクリエイティブと横長のクリエイティブの比較
1:1の比率が推奨される理由は、縦が長い比率の方が画面の大部分を占めることができるため、ユーザーの目に留まりやすいためです。ほとんどのケーススタディでは、縦が長い比率の方が高いCTRとCVRが得られているという結果が出ています。
FacebookやInstagramでは、ユーザーは正方形のクリエイティブに見慣れています。
一方、モバイルでTwitterフィードを見てみると、おそらく横長のクリエイティブを多く目にするでしょう。例えば、Twitterでシェアされている記事などの多くのサムネイルは横長で表示されています。
しかし、前述したように、Twitterアプリインストール広告は他のプラットフォームと比べてクリエイティブが小さく表示されるため、1:1の比率にすることで、横長のクリエイティブよりも広告を大きく表示させることができます。
Twitterでは横長のクリエイティブが多いからと決めつけてしまうのではなく、まずは正方形のクリエイティブを使ってテストをしてみると良いでしょう。
7. 広告疲れを避ける:クリエイティブを更新する
他のプラットフォームと同様に、イメージとビデオのクリエイティブを頻繁にアップデートする必要があります。
これにより、ユーザーの広告疲れを回避し、オークションで高い品質スコアを維持することができるのです。Twitterの予測ツールでは、フィードに表示する広告を決定する際にクリックスルー率(CTR)も参考にしているため、CPIに入札した場合でも、ボリュームを獲得するためにクリエイティブを更新する必要があります。
また、常に既存のものよりも効果的なコンセプトを考え、どのようなクリエイティブを作成したら良いかを特定しなければなりません。
Twitter広告においてクリエイティブを何度も更新できるかどうかはリソースにも左右されますが、Twitterは2週間ごとにクリエイティブを更新することを推奨しています。
8. 季節を考える
最後のクリエイティブ作成のヒントは、できるだけ季節を意識することです。何度も述べたように、Twitterではリアルタイムの情報が好まれるため、ハロウィン、クリスマス、バレンタインデーなど、季節ごとの行事を意識したクリエイティブを考えてみましょう。
Twitterアプリインストール広告のクリエイティブにおいては、特定のA/Bテストの機能がなく、各キャンペーンごとの広告レポートでは、クリエイティブの効果までは確認できません。
そのためTwitterは、より効果的なクリエイティブを特定し最適化するために、イメージとビデオを分けてそれぞれ1つのクリエイティブの広告を掲載し、どちらが良いパフォーマンスをしたかを調査することを推奨しています。
Facebookにおけるエンゲージメントの指標(動画の3秒再生数、10秒再生数、25%、 50%、 75%再生数)や、YouTubeのアナリティクスを利用できるUACとは対照的に、Twitterではビデオにおけるエンゲージメントの指標を提供していません。
「FacebookやGoogleのUACでクリエイティブのテストを行い、eCVR(CTR×CVR)に基づいて最も良いパフォーマンスをしたものをTwitterアプリインストール広告に使用しています。」
- Fabien-Pierre Nicolas氏、米国マーケティング本部責任者@『SmartNews』
この記事では、ニュースアプリ『SmartNews』のFabien-Pierre Nicolas氏の洞察をいくつかご紹介しましたが、ここでは『SmartNews』がTwitterアプリインストール広告で実際にどのようなことをしてきたかについて詳しく説明します。
『SmartNews』は、AIを使用し、250以上の主要なニュース出版社からユーザーに合わせた適切な記事を提供するニュースアプリです。
『SmartNews』の目標は、アプリのダウンロード数を増やし、エンゲージメント率を向上させることでした。そこでTwitter広告を用いて適切なユーザーにアプローチするために、以下のターゲティングを行ったのです。
Twitterアプリインストール広告を最適化するために、まずは各キャンペーンを開始して数日後に、アトリビューション分析を通じた早期のCPIとエンゲージメント率のデータを使用し、入札単価と予算を最適化しました。
Twitter広告のクリエイティブには、Facebookなどの他のプラットフォームでテストし、最も効果的だったものを使用しました。以下の動画はその中の1つです。
しかし、Facebook広告とは対照的に、ビデオのインプレション数を多く獲得することは難しいようです。 Facebookのアプリインストール広告のビデオでは80~85%のインプレッションを獲得しているのに対して、Twitterではおよそ20%に留まりました。
特定したショーのチケットのアプリ内購入を促すために、締め切り間際の劇場のチケットを販売するアプリ『TodayTix』は以下のようなターゲティングを行いました。
その後、モバイル端末に限定した当日チケットの抽選販売も行い、Twitter上で注目を集めました。
この事例では触れられていませんが、『TodayTix』もリターゲティングを行っている可能性が高いと思われます。すでにアプリをダウンロードしている(もしくは既にアプリから予約をしたことがある)ユーザーに、一度チケットを購入したものと関連するショーの広告を表示するのも非常に効果的です。
ファッションのECアプリ『GILT』は既にアプリをダウンロードしているユーザーのエンゲージメントを高めるためにTwitter広告を利用し、アプリ内で購入可能な商品の写真を掲載した、期間限定のキャンペーンなどを行いました。
また、一部のキャンペーンでは、iOSデバイスのみを対象としていました。
チラシの情報アプリ『Tiendeo』は、主にスペイン語圏を対象とした30カ国以上の小売店や消費者に向けたショッピングアプリです。
アプリのダウンロード数の増加を目的として、下記のようにTwitter広告配信を行いました。
更には、コロンビア、デンマーク、フランス、イタリア、ノルウェー、スペインのユーザーでターゲティングを行い、広告の言語やキャンペーンの対象の地域が、広告を見ているユーザーの利用言語や居住地と関連するようにしました。
広告のクリエイティブには、実際のアプリのスクリーンショットを使用し、ツイート本文にDLを促す文章を入れています。
Twitterは他のSNSと同じような成長を遂げてはいませんが、まだ利用する企業がたくさんいることから、ここ最近では広告の掲載に効果的なプラットフォームとしての認識が強まっていると言えるのではないでしょうか。
Twitterアプリインストール広告を利用する価値があるかを決め、その後のキャンペーンを成功させるためにも、以下の点に注意してください。
この記事は、apptamin社のブログ"THE GUIDE TO TWITTER APP INSTALL ADS AND CREATIVE BEST PRACTICES"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on apptamin in English under the permission from the author.
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