モバイル広告での実際の収益額を知ることは、本当に、本当に難しいです。自社のモバイル広告が実際にどの程度マネタイズできているか把握していますか?モバイル広告における収益の発生元の特定は、単にCPMや収益額を見るよりもずっと重要です。モバイル広告で収益が上がる要因はいくつもあります。あなたはどの程度実質的な収益を把握していますか?
今回は、モバイル広告の全体的なパフォーマンス上昇に関係するいくつかの要因を私が知る限りでご紹介します。( この記事ではDAUを1日あたりのユニークユーザーと定義しています。)
アプリの広告収入で監視すべき指標
- 広告表示のリクエスト数
広告ユニットがアドネットワークに広告をリクエストした回数
- 返ってきたリクエスト数
アドネットワークからレスポンスが返ってきた広告の数(フィルとも呼ばれ、よく誤解されている用語です)
- 広告の表示回数
アドネットワークからレスポンスが返ってきて実際に表示された広告の数
- 有効インプレッション
実際に支払いが発生する広告の表示回数
- CPM
広告の表示回数 1,000 回あたりのコスト( 1,000 回あたりの収益、またはPRMと言うべきだと思いますが)有効インプレッション1,000回あたりの収益です。
- eCPM
汎用性のある広告の表示回数1,000 回あたりのコスト(1,000 回あたりの収益、またはeRPM)。つまり有効インプレッション1,000回あたりの平均収益です。CPI(インストール単価)、CPC(1クリック単価)といった様々なタイプの広告モデルもまとめてCPMとして出せる指標です。これによって異なる広告モデルも合わせた平均収益を求めることができます。
- CTR
クリック率
- DAUあたりのインプレッション数
ユニークユーザー(DAU)ごとの広告リクエストの数。これは潜在的なトータルの広告在庫を示すので重要です。
- DAUあたりの収益
DAUごとに得られた実際の金額。これは月単位でで確認しなければいけない数字です。(例えば、1DAUは月間で1.5ドルの収益をもたらす)DAUあたりの実際の収益とも呼ばれます。
- 収益
広告から日単位または月単位で得る実際の金額とその割合。
- 漏れ
収益に貢献しなかったインプレッション数とその割合
- 潜在的な収益機会
あなたのユーザー基盤やエンゲージメントを増やすことなく得られたであろう金額
ご覧の通り指標はたくさんあります。ほとんどのアプリ開発者はせいぜいこのうち1つか2つしか知らないと思います。すべての指標を知るためには、計測とレポーティングを組み合わせなければいけません。広告表示のリクエスト数さえ計測していないというのであれば良い機会です。LocalyticsまたはMixpanelなどのツールを使って分析しましょう。
広告ネットワークそのものは指標の計測方法まで提供してくれません。指標なしでは以下に挙げた3つの重要なことは理解できないでしょうから、指標の計測は最初にするべき重要なステップなのです。
- 潜在的な収益の最大値
- 漏れの合計(支払いが発生していないインプレッション数、損失額など)
- 実際の収益(真のeCPMとフィルレート)
まず、できるだけ丁寧に下記の質問に答えてください。もし以下に挙げるいずれかの指標を知らない、もしくは計測していない場合も回答を続け、これからあなたが考慮すべきことについて知る機会にしましょう。
アプリに関する質問
- あなたのアプリは広告ユニットをいくつ持っていますか。これはアプリ内で広告を表示するインターフェイスについての質問です。バナー広告、インタースティシャル広告、ネイティブ広告なども含まれます。
- 各広告ユニットについていくつアドネットワークを使って広告枠を埋めようと考えていますか。
各広告ユニットに関する質問
- その広告ユニットは、一日にどのぐらいの数の広告表示のリクエスト数を生んでいますか。
- 一日にすべての広告表示のリクエスト数の何パーセントがアドネットワークから返ってくるでしょうか。(その広告ユニットに返ってきたリクエスト数の合計)
- 返ってきた広告の何パーセントが実際にユーザーに表示されていますか。
- 表示された広告の何パーセントが有効インプレッション数として収益になっていますか。
- アドネットワーク全体のeCPMはいくつですか。(有効インプレッション数によって計測されるすべてのアドネットワークの平均値を計算)
- 広告ユニットから得られたひと月あたりの総収益額はいくらですか。(その広告ユニットで用いられているアドネットワーク全体の総収益を合計)
上記で質問したすべてのデータをまとめることができれば、広告パフォーマンスを想定することができます。それをここであなたにご紹介します。
- 本当のeCPM
あなたが払わなければならない分のコストではなく、1,000回の広告表示のリクエスト数における実際の収益。
- インプレッション数の漏れ
支払いを受けていないインプレッション数とその割合
- 失われた収益 - あなたが見落としていた収益の額
現在の状況を可視化することができました。これが最初のステップになります。今こそ収益の改善に取り組むときです。このアプローチによってエンジンの回転数を上げることができます。壊れたシステムを見たら試して修復しなければいけないでしょう。だからこそ私たちはまず自分のため、そして今や他のアプリ開発者のためにこういったアプローチで収益化に取り組むのです。以下で私たちが手助けできることをお話します。
- フィルレートを上昇させる
実際に収益となる広告表示のリクエスト数を上昇させる方法を学びましょう。
- インプレッションを上昇させる
広告表示の総リクエスト数を上昇させる方法を学ぶことによって、潜在的な総収益額も上昇させることができます。
- eCPMを上昇させる
より多くの収益となるCPM / RPMの割合を改善する方法を学びましょう。
- データを知り、理解する
重要なデータの計測と分析のベストな実践方法を学びましょう。
この記事は、Medium上の記事 ” Welcome to Mobile Monetization Hell! ”を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Medium in English under the permission from the author.