2017年1月時点でApp Storeにおけるアプリの登録件数は200万件以上、Google Play Storeでは250万件以上にのぼります。驚くほど多くのアプリがアプリストアには登録されており、その数は日々増え続けているため、競争は激化しているのです。
いずれはユーザーがアプリをダウンロードしてくれるだろうというような、魔法のような出来事を期待して漫然と過ごしていてはいけません。アプリのリリース時には前もってユーザー獲得戦略を確立しておくこと、アプリ以外のあらゆる商品を売り出す時と同じように、従来通りのプロモーションをアプリにも適用することを強くお勧めします。
まだ戦略を立てていなくても、心配することはありません。
本記事では、モバイルアプリのマーケティング競争に長く携わってきた経験と、アプリのプロモーション施策に関する豊富な知識に基づき厳選した、アプリのプロモーションに最も効果的な8つの方法をご紹介します。
Webサイト
アプリが真っ当なものであることを示すために、インターネット上にアプリを紹介できるページを用意しましょう。ユーザーはアプリが正当なものであること、ビジネスとしてきちんと投資を受けた商品であることを確認しておきたいものです。
企業のブランドアプリの場合には、Webサイト全面を使ってアプリを紹介しましょう。フッター部分にアプリの紹介を付け足す、あるいは小さなロゴを置く程度では意味がありません。ブランドアプリを上手く紹介しているWebサイトがあります。SweetGreenのサイトです。確認してみましょう。
SNS
アプリのプロモーションにはSNSが欠かせません。SNSを通して多くの人にアプリを知ってもらうためには、有料広告を出す方法とオーガニック検索から広告を見てもらう方法の2つがあります。
オーガニック検索
『Facebook』のページや『Twitter』のアカウント、『Instagram』のプロフィールなどのSNSでアプリを紹介するシンプルなページを用意しておけば、オーガニック検索経由で訪れた人々にプロモーションすることができます。
まずは、アカウントを作成し、ターゲットとするオーディエンスや業界関係者をフォローしましょう。プロモーションに力を入れすぎるあまり、大量のメッセージをばら撒かないよう気を付けてください。オーディエンスが関心を持つような話題を選び投稿し、会話に参加するなど、有効なアプローチを考えなければいけません。例えば、GrubHub(シカゴを拠点に置くフードデリバリー企業)は『Instagram』に、色鮮やかで美味しそうな食べ物の写真を豊富に投稿しています。グルメなオーディエンスであれば、この投稿に良い反応を示すこと間違いなしです。
有料広告
Kenshooが2016年に発表した調査報告によると、モバイルアプリ広告のCTR が前年比で32% 増加したことが分かりました。一方で、クリック単価 (CPC) は33% 減少しています。つまり、アプリのプロモーションに少額でも投資をすれば、アプリを見つけてもらえる確率が高くなるので、ユーザーの数が急増する可能性もあるのです。
『Facebook』と『Instagram』は幅広いオーディエンスが利用している上に、オーディエンスをセグメントに分類して管理する機能を持つため、モバイルアプリのプロモーションには非常に効果的な広告プラットフォームです。さらに『Facebook』が『Instagram』を買収して以降は、アプリのインストール広告を両方で、とても簡単に設置できるようにもなりました。
プロモーション
どのようなプロモーションでも、実施すれば何かしらの効果はあります。しかし、アプリを話題にするためには、メディアやインフルエンサーに取り上げてもらう必要があるでしょう。インフルエンサーに取り上げてもらうことで、アプリの信頼性を得ることもできます。
プロモーションの方法は色々ありますが、ほんの少しだけ例をご紹介すると以下の通りです。
- プレスリリースを発表する。
- アプリのローンチパーティーを開き、地元メディアやテクノロジー業界の関係者を招待する。
- 地元新聞紙やテクノロジー系ブロガーとのインタビューの場を設ける。
- 有名ブログに寄稿する (ゲストブロギング)。
ASO
ASOとは、モバイルアプリ業界におけるSEOを指します。供給過多となっているアプリマーケットでアプリを見つけてもらうためには、ASOは必須です。成果が得られるASO戦略を構築するには、何を検討すればいいでしょうか?
まずは以下の事項を検討しましょう。
- アプリのタイトル:タイトルはユニークですか?
- キーワード:アプリに関連するワードをキーワードにしていますか?ただし、あまりにも多くのキーワードを詰め込みすぎてもいけません。
- アプリの説明文:アプリの価値をわかりやすく表現できていますか?アプリやリリースノートのアップデートにあわせて、説明文も頻繁に更新していますか?
- スクリーンショット・動画:アプリの魅力が詰まったスクリーンショットを2〜3個用意しましたか?また動画チュートリアルでアプリの要点を紹介していますか?
- レーティング:好意的な意見が届いていますか?
Search Ads
これはとても簡単に実践できるプロモーション方法です。iOS10のアップデートでAppleがSearch Adsというサービスを開始しました。Search Adsは基本的にはApp Store内で使える有料広告です。アプリに関連するキーワードに入札すると、該当する単語がApp Storeで検索ワードとして利用された時にアプリを検索結果の最初に表示してくれるというのが基本的な機能になります。
Search Adsは開始されたばかりのサービスですが、導入初期にAdWeekが行った調査で早くもその驚くべき効果が明らかになりました。調査によると、Search Adsで表示された広告をクリックした顧客の50% がアプリをダウンロードしていたのです。
詳しくは「App Storeの検索広告「Search Ads」について徹底解説!」を参考にしてください。
Google Play ストアにも検索広告があります。詳しくは「Google Play ストア内検索広告について徹底解説!」を参考にしてください。
インフルエンサー、セレブからの支持
キム・カーダシアンから学ぶべきことが (到底あるとは思えないでしょうが) あるとしたら、セレブによる宣伝効果の大きさです。大物セレブが相手だとしても、大金を支払うことなくプロモーションをしてもらえる可能性もありますが、もう少し身近なところにも様々な機会があります。
テクノロジー業界を始め、アプリに関連する業界に、協力をお願いできる知人はいませんか?あるいは特定の地域や業界で有名なインフルエンサーで、接触を図れる人はいないでしょうか?そのような影響力を持つ人々に働きかけ、彼らのソーシャルチャネルを通してアプリをプロモーションしてもらいましょう。特にブログは、ユーザーの関心を確実にアプリへ向けることができる手段です。
インフルエンサーは、アプリがターゲットとするオーディエンスに適した人物を選ぶことをお勧めします。そうしなければ、明らかなチャーンまで新規ユーザーとして獲得してしまうので、無駄な出費になってしまう可能性があるからです。
従来通りの広告・インストア広告
アプリに対してもその他の商品と同様に、従来通りのプロモーションを行いましょう。テレビやインターネットのストリーミングコンテンツでアプリの広告を配信するといった施策も含まれます。
実際に店舗を構えて商品を販売している場合、店内でアプリを宣伝することは非常に重要です。店舗でもプロモーションを実施し、ユーザーにアプリのダウンロードを呼びかけましょう。最近ではShake Shackがアプリをダウンロードした顧客にハンバーガーを無料で提供するというプロモーションを行いました。この施策は大きな成功をおさめ、全国的に話題となりました。
口コミ・バズマーケティング
皆さん大事なことを忘れていませんか?大前提として、アプリが役立たないものでは意味がありません。これは重要なことであり、いつの時代も口コミの影響力は絶大です。アプリを開発するのなら、上質なアプリを作りましょう。アプリマーケットの競争が激化しているため、世界中の人気アプリにユーザーが次々と奪われているのです。
アプリのユーザー獲得に向けた投資を開始する前に、まずモバイルマーケティングプラットフォームに投資しましょう。このプラットフォームでエンゲージメントの獲得、そして既存ユーザーの維持に必要な知見を得ることができるからです。これによってチャーン率を抑えることができます。
映画『フィールド・オブ・ドリームス』に「それを作れば、彼らはやって来るだろう」という名言がありますが、アプリの世界では通用しません。ユーザーはアプリに対し、高度にパーソナライズされた体験を求めています。ユーザーの離脱を防ぎ、顧客生涯価値を高めるためにも、アプリのマーケティング施策を強化することが最善の方法です。
最後に
アプリのプロモーションには無限の可能性があります。他の商品のリリース時にもしてきたように、アプリにも従来通りのプロモーションをしっかり行い、十分な時間をかけて堅牢なユーザー獲得戦略を練りましょう。
また、アプリユーザーの人数を増やすこと以上に、価値の高い顧客を獲得することが重要であることも忘れないでください。ターゲットオーディエンスを把握し、彼らに合わせた広告を作るよう心がけましょう。
この記事は、Localytics社のブログ"8 Ways to Promote Your App"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Localytics in English under the permission from the author.