App Storeでのスクリーンショット枚数増加は効果があるのか

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2020.06.01
App Storeでのスクリーンショット枚数増加は効果があるのか

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2018年2月22日、AppleはApp Storeのプロダクトページに掲載できるスクリーンショットを最大10枚に増やしたことを発表しました。この変更はiPhoneやiPad、Apple Watch、Apple TV、それぞれのApp Storeで適用されます。

最大掲載枚数が5枚までだったところ、プロダクトページに掲載できるスクリーンショットは2倍に増えたわけですが、アプリのプレビュー動画は以前と変わらず、30秒以内の動画を3本までしか掲載できません。

検索結果の表示画面やSearch Adsでは引き続き、プレビュー動画を掲載しない場合は縦向きで3枚まで、横向きで1枚のスクリーンショットをプロダクトページに掲載できます。

Appleは「スクリーンショットの掲載枚数が増えたことで、開発者はアプリの説明や魅力についてより明確に伝えることが可能になった」と断言しています。今回のアップデートで、新規ユーザー獲得のためにアプリマーケターが活用できるスペースが増えたことは間違いありません。

マーケティングという観点では効果を期待できそうですが、今までスクリーンショットを5枚目まで見ていたユーザーはさほど多くなかったため、10枚に増やしたところで良い変化が見られるかどうかは分かりません。

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このような疑問から、Split Metricsではスクリーンショットを5枚掲載したプロダクトページに対するユーザーの反応を調査しました。

この調査は、App Store上でスクリーンショットを5枚掲載したプロダクトページが100回ずつは閲覧されたアプリを対象に、1,800回実施したA/Bテストの結果を分析したものです。

今回の調査からは、分析対象となったプロダクトページのほとんどがASOをしっかり行っていることがわかりました。つまり、アプリストアが最適化されていないプロダクトページは、同じようなスクロール率やインストール率が得られるとは限らないということです。

テスト結果を分析すると非常に興味深いデータを得ることができました。スクリーンショットをすべて横向きで揃えた場合、最後の5枚目に辿りついたユーザーは15%で、縦向きのスクリーンショットで揃えた場合は11%。縦向きは横向きと比べて若干低かったのです。

縦向きのスクリーンショットの方がスクロール率は高いと思われがちですので、この結果に驚いた方も多いのではないでしょうか…?結果として横向きのスクリーンショットの方が最後まで見てもらえる確率が高く、わずかですがインストール率も向上しました。

横向きのスクリーンショットの場合、ユーザーが5枚目のスクリーンショットまでスクロールした後にアプリをインストールしてもらえる可能性が高くなります。この場合の横向きの平均インストール率は18%、縦向きのスクリーンショットは13%でした。

もし、スクロール率やインストール率を向上させるためにスクリーンショットの掲載を10枚に増やそうと考えているなら、横向きのスクリーンショットにした方が成功する確率が高くなるかもしれません。ただし、ユーザーの特徴はアプリによって異なるため、縦向きのスクリーンショットでの検証をしてみるとよいでしょう。

App Store用スクリーンショットの効果をあげるコツ

今回の調査から、プロダクトページのスクリーンショットを最適化すればインストール率が18%増加することがわかりました。 インストール率が向上する可能性があるため、次の点を考慮した上で現在のスクリーンショットを見直してみましょう。

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スクリーンショットの順番と機能の優先順位

現在掲載しているスクリーンショットをすべて作り直す必要はありません。適切な順番に入れ替えるだけでインストール率が向上する可能性もあります。ここで重要なのは、各スクリーンショットに表示されているアプリの機能に優先順位を付けて並び替えることです。

1枚目のスクリーンショットでは、アプリのアピールポイントと一目でユーザーを惹きつける機能を紹介しましょう。紹介した機能にはどのような価値やメリットがあるのか、ユーザーにわかりやすく説明することも大事です。

「SEGA」のように人気ブランドを持っている場合は、そのブランド力を活かしたスクリーンショットを1枚目に表示させると効果的です。

開発者はスクリーンショットを駆使してストーリーを作り上げることができれば、非常に優れたプロダクトページが完成します。 様々なパターンのスクリーンショットを組み合わせてテストしたところ、「SEGA」はストーリー仕立てで並べた組み合わせから最も良いインストール率を得ることができました。

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比較パターン (上) のスクリーンショットは、やや一貫性に欠けています。1枚目は「自分の帝国を作ろう (Build your Empire) 」というキャプションが入っていますが、2枚目では1枚目のストーリーと全く関係性のない「クレイジータクシーが帰って来た (Crazy taxi is back) 」と、このゲームが有名ゲームの最新シリーズであることを伝えています。

「タクシー王を目指せ (Become a taxi magnate) 」という3枚目のスクリーンショットで、1枚目のコンセプトに戻っていますが、全体を通して互い違いな順番で並べられてしまっています。

一番の問題点は、ユーザーがゲームをクリアするまでのステップを想像しづらいことです。対して、もうひとつのパターン (下) ではゲームの流れをしっかりと確認できます。

こちらのパターンは、一見バナーの様に見えるスクリーンショットから始まります。2枚目以降は「クレイジータクシーが帰って来た (Crazy taxi is back) 」「好きな運転手を雇おう (Hire you favorite cabbies) 」「大金を稼げ (Make crazy money) 」と続き、キャプションからゲームの内容が想像できるようになっています。

スクリーンショットに一貫性を持たせることで、インストール率は25.6%も向上しました。

スクリーンショットの向き(縦向きvs横向き)

スクリーンショットの向きを縦にするか横にするかは、ASOの中でも優先的に検討すべき要素です。向きの違いはインストール率を劇的に変える可能性があるからです。

2018年3月現在、検索結果の表示画面には横向きのスクリーンショットを1枚、または縦向きスクリーンショットを3枚まで掲載できます。向きに関係なく、検索結果に表示された時にスクリーンショット内の文字は読みやすくしましょう

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今回のアップデートでもう1点、留意しておくべきポイントがあります。縦向きの場合、最後の5枚目までスクロールするユーザーは11%でしたが、横向きだと15%でした。スクリーンショットを10枚フルで掲載する場合も、スクロール率は横向きの方がわずかに高くなると予想されます。

『ZiMAD』が実施したテストでも同様の結果が出ています。 スクリーンショットの組み合わせをいくつか作りA/Bテストを実施した結果、横向きの組み合わせが高い閲覧率を記録しました。また、全て横向きのスクリーンショットを使った組み合わせは最も効果が高く、インストール率は18.4%向上しました。

短いキャプションの中に有益な情報を

「短く明確に」がキャプションの鉄則です。スクリーンショット内の文字数を増やしても、ユーザーに情報が伝らなくては意味がありません。

一般的に文字数が増えても画面の大きさは変わらないため、フォント自体が小さくなり読みづらさを与えてしまいます。結果、ユーザーはスクリーンショットを見ても要点を捉えられず、興味を失ってしまうかもしれません。

iOS11では、検索結果のページで表示される縦向きスクリーンショットの大きさが小さくなっています。アプリの魅力を伝えるための貴重なスペースなので、限られた空間で「短く明確」なキャプションを添えましょう。

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『Mandala Apps』は、キャプションのフォントや配置を工夫したことでインストール率を6%上昇させました。キーワードを大文字や太字にしたり、キャプションの位置を変えたりするだけで、より多くの目を向かせることができるのです。

視覚的要素を利用してエンゲージメントを増やす

記号やズームなど、一味違うスクリーンショットを作成するのも良いでしょう。ポイントになる機能をわかりやすく伝えたい場合、ズームアップで強調させてもいいかもしれません。

『OLBG』のスクリーンショットは「見たい情報をまとめて表示」など、一部の機能を拡大して見せることで、アプリのUIをわかりやすく説明しています。シンプルで明瞭なメッセージで、インストール率を45%も向上することができました。

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最後に

様々なレイアウトのスクリーンショットを試すことで、インストール率を格段と向上させるパターンを見つけられるかもしれません。 今回のアップデートを機に、スクリーンショットが最適化されているかどうかをテストしてみてはいかがでしょうか。

この記事は、SplitMetrics社のブログ"Apple Enhances Screenshots Limit and SplitMetrics Supports These Changes in A/B Tests"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on SplitMetrics in English under the permission from the author.

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