音楽アプリ『Shazam』から学ぶモバイルアプリの成功事例

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2020.11.04
音楽アプリ『Shazam』から学ぶモバイルアプリの成功事例

目次

友達や家族との特別な時間を楽しく過ごすためには音楽アプリは欠かせません。中でも『Shazam』は、今近くで流れている曲が何か、認識することができる、とても便利なアプリです。今回は『Shazam』を大きく成長させた、効率的なマーケティングテクニックについてご紹介します。

Shazam

素晴らしいアイデア

『Shazam』は、まだApp Storeすら存在していなかった2002年に始まったサービスです。

当時の『Shazam』は携帯電話で「2580」にダイヤルして、音楽を聞かせたら数十秒後にSMSでアーティストと曲名が送られてくるというものでした。それから6年でApp StoreとGoogle Play ストアにアプリとして登場したのです。

2011年からは、テレビの番組や広告などから流れる音楽も認識できるように。アプリはさらなる成長を続け、その革新的な技術で数多くの投資家を引き付けました。

2017年12月には「Apple Musicと『Shazam』は相乗効果を生む」という理由から、Appleが『Shazam』を買収しました。 『Shazam』は、一体どのようなマーケティング手法によって10億以上のユーザーを獲得したのでしょうか。その秘密に迫ります。

Shazam

『Shazam』は何をしたのか?

まずは、『Shazam』の成長に大きく影響を与えたマーケティングテクニックをみていきましょう。

機械学習

『Shazam』は機械学習によって、100万曲以上ものデータベースを元に機能を改善してきました。この機械学習はユーザーのアプリの使い方とも密接に関係しています。Tim O’Brien氏は、ユーザーがどんなシチュエーションでアプリを使用するかというデータに基づいた、プレイリストのリコメンド機能の仕組みについてブログで語っています。

このアルゴリズムについて詳しく知りたい方は、『Shazam』の共同創業者Avery Wang氏が出版している解説本を読むと良いでしょう。とはいえ、非常に複雑なプロセスのため、理解できる人はごく僅かかもしれません。だからこそ『Shazam』の素晴らしさが引き立つわけです。

重要ブランドとのパートナーシップ

『Shazam』は他の音楽チャンネルとは競合していませんが、ユーザーの音楽体験を継続させるために最高の環境を提供しています。

『Shazam』が曲を認識したら、『YouTube』や『Pandora』、『Apple Music』や『Spotify』へ接続して動画などを楽しめるようになっています。さらにユーザーは、今の気持ちを音楽とともに『Facebook』や『Twitter』、『Whatsapp』などで共有できるのです。

そして、音楽業界だけでなく、FOX、ディズニー、ファンタ、コカ・コーラ、ESPNなどの大企業が『Shazam』に協賛し、人々が音楽と触れ合う体験をより良質なものにしています。ここに挙げたほんの一部の企業とともに、今後も新たな企業の協賛は増え続けていくことでしょう。技術に関しては、MARSと共同で行ったARキャンペーンがあります。

Shazam

アーティストにとっても優れたチャンネル

楽曲ページやアーティストページでフォロワーと強い関係を構築することができるため、『Shazam』はファンとつながりたいアーティストにとっても優れたサービスになっています。アーティストは『Shazam』の中でニュースや告知事項などを簡単に共有できるのです。

もちろん、『Shazam』が好みに合わせた他のコンテンツによって、ユーザーをひきつけているのは言うまでもありません。

Shazam

データがカギ

『Shazam』は楽曲認識のサービスとして知られていますが、近年では画像認識機能など、新しい機能も提供しています。『Shazam』は膨大な量のデータを収集しているので、ユーザーが好むものを提供できるのです。

このデータをもとに『Shazam』のオーナーはAudience NetworkにおけるFacebook広告で37%も収益を向上させました。『Shazam』はネイティブ広告を採用していますが、楽曲の検索結果ページに広告を表示することで、UXを損なうことなくサービスとも一体化させています。キャンペーンを成功させるには、ユーザーが広告を受け取りやすくするための最適な手段を見つけることが重要だといえるでしょう。

Shazam

ポイント:メインの機能を変えない

リリースから今に至るまで、『Shazam』はなぜアプリストアのランキング上位を維持できるのでしょうか。それは、周囲に流れている曲を判別したいというユーザーのニーズに応えて続けているから。これこそが、このサービスが16年前に信頼され、「Shazamする」という言葉ができた理由だと言えるでしょう。

優れたツールとインターフェースに加え、生活を楽しくしてくれることもアプリが支持され続ける理由の一つです。どれだけアプリを改善したとしても、目的は常にシンプルなものにしてください。シンプルだからこそ、ユーザーがアプリのメイン機能を楽しめるのです。

最後に

リリースから10年が経過してもなお、App Storeで星4.9個の評価を受け続けるアプリは多くありません。『Shazam』はシンプルな操作で楽しい音楽体験が味わえるという、明確でポジティブな印象を築き上げることでユーザーをひきつけているのです。

この記事は、AppSamurai社のブログ"Mobile App Success Story: Shazam"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.

Webとアプリの
売上最大化ツール
「Repro」

資料ダウンロード お問い合わせ

Webとアプリの
売上最大化ツール
「Repro」

資料ダウンロード お問い合わせ

PAGE TOP