はじめに
前回までのTwitter連載で
連載1:Twitterを効果的に運用するための基本的な3ステップ
連載2:シミュレーションモデルの作り方
連載3:Twitterアナリティクスの使った数値の取得方法
についてご紹介しました。
最後となる今回は、自社オウンドメディアへの流入数を増加させるための具体的な施策や便利なツールをご紹介いたします。Twitterを活用して自社サイトへの集客を増やしたり、アプリのランディングページへのトラフィックを増やしたいと考えている方は必見です!
KGIのドライバーとなる主要KPI
具体的な施策を考える際は、KPIツリーを作り、KGIのドライバーとなる主要KPIを決めます。主要KPIを決めることで、KGIを達成するためにより効果的な施策を考えることができるのです。
上の図はツイート記事へのクリック数をKGIにした場合のKPIツリーです。赤枠で囲ってあるのがKGIの主要KPIになります。
主要KPI
- インプレッション数(Total impression)
- フォロワー数 (Number of 1st follower)
- ツイートのクリック率(CTR)
KPIツリーから主要KPIまでの話は連載1,2で詳しく説明しているのでそちらをご参照ください。
ここからはKGIの増減に大きく関係する上記3つの主要KPIを伸ばすための施策を順に説明していきます。
インプレッション数を増やすための施策
施策1: 投稿時間を最適化する
ツイートの内容が良くても、フォロワーが見てくれなければ意味がありません。インプレッション数を増やすにはフォロワーが一番ツイートを見てくれる時間帯、つまりフォロワーがツイッターを使っている時間帯を見つけてツイートすることが大事です。そこでご紹介したいのが「『Tweriod』」という無料ツールです。『Tweriod』を活用することで自分のフォロワーがどの時間帯にアクティブなのかがわかり、ツイートに最適な時間帯を知ることができます。『Tweriod』の分析画面は平日、週末、日曜日、月曜日のフォロワーの活動時間のデータを見ることができます。
施策2: 投稿数を増やす
投稿数が増えれば、フォロワーにツイートを見てもらえる機会も増えるので必然的にインプレッション数も増やすことができます。投稿数を増やすと言っても、新しく考えたツイートを毎回する必要はありません。フォロワーは四六時中タイムラインをチェックしているわけではないので、同じツイートを複数回してもいいのです。例えば、朝に投稿したツイートをその日の夜に投稿すれば新しくツイートを考える時間がなかったとしても投稿数を増やすことができ、朝のツイートは見ていなかったフォロワーにも見てもらえる可能性があります。
フォロワー数を増やすための施策
ビジネスでTwitterを活用するならフォロワーは一定数必要です。フォロワー数が多い方がより多くのユーザーにリーチしエンゲージメントできるチャンスがあり、自社サービスの認知やブランディングといったビジネスゴールがより達成しやすくなります。例えばTwitter運用の目的が自社商品の認知度アップである場合、フォロワー数100人と10,000人では後者のほうがより多くのフォロワーに商品に関するツイートを届けることができるため、運用目的である商品の認知度アップにつながります。フォロワー数を増やすためのアプローチは2つです。1つは質の高いフォロワーをこちらからフォローし、エンゲージメントの高いフォロワーを増やす方法。2つ目は発信するコンテンツの種類を増やし、自社アカウントを見にきたユーザーのフォローバック率を高めたり自然とフォローしてくれる人を増やす方法です。
施策1: 質の高いフォロワーを増やす
フォロワーは数だけでなく、質も考慮することが重要です。質の高いフォロワーとは、自分の発信するツイート内容に興味を持ってくれそうなターゲットユーザーのことです。彼らをフォローすることで、ツイートへのエンゲージメント率を高めたりアンフォローされる可能性を下げたりすることができます。
質の高いフォロワーを増やす際の2つポイント
質の高いフォロワーを増やすために、自分のアカウントに興味のありそうなフォロワーを探してこちらからフォローすしましょう。フォローをする際に確認するべき点は以下の二つです。
ユーザープロフィール
ユーザープロフィール欄に書かれている職業や趣味・関心などの情報を確認することでターゲットユーザーかどうかを判断することができます。
F/F比
F/F比 ((F/F比についてはIpusiron, MAD著『Twitterで10日間でフォロワー1000人! 』(データハウス) を参考にさせていただきました。))とはフォロワー数をフォロー数で割った比率です。2つのFは「Follower/Follow」を意味します。フォロワー数 ÷フォロー数 = F/F比フォロワー数を増やすためにはフォローバックされやすいユーザーを見極めるのが重要であり、F/F比はその見極めに使えるKPIです。
F/F比の見方
一般的にF/F比が高くなるほどフォローバックしてくれる可能性は低くなり、逆にF/F比が低くなるほどフォローバックの可能性が高くなります。なぜならF/F比の高いユーザー(F/F比 ≧ 1 )は自分がフォローしている数よりもフォロワー数の方が多く、そうしたユーザーはフォローするユーザーを選り好みをしたりフォローされても見ていない可能性が高いからです。逆にF/F比の値が低いユーザー(F/F比 ≦ 1 )はフォロー数を増やすことに抵抗がない場合が多いため、こちらからフォローをかけると高確率で反応しフォローバックしてくれるでしょう。
よって、フォロワーを増やす際はユーザーのF/F比の値をチェックし、F/F比が低いユーザーを優先的にフォローするといいでしょう。ただし、F/F比が低くてもフォロワー数が少ないユーザーはTwitterをアクティブに使っていない恐れがあるので、F/F比だけでなくTweet数などもチェックしてからフォローしてください。質の高いフォロワーを増やす2つの施策をご紹介します。
施策1-1:『Crowdfire』を活用し、競合や類似アカウントのフォロワーをコピーする
『Crowdfire』はフォローとフォロワーを管理して効率よくフォロワーを増やすためのツールです。『Crowdfire』にTwitterのアカウントIDを入れるとそのアカウントのフォロワーを一気にフォローできる「Copy Followers」という機能があります。これを使って、自分と同じ分野の情報を発信している競合や類似アカウントのフォロワーを一斉フォローすることができ、効率的にターゲットフォロワーをフォローすることができます。ただし、無料版だと1日にコピーできるのは25人までです。
上の画像は『Crowdfire』の「Copy Followers」の画面です。①にフォロワーをコピーしたいアカウントのIDを貼り付けます。そして表示されたフォロワーの一覧から、②のユーザープロフィール、③のフォロー数・フォロワー数を確認してフォローしてください。
施策1−2:Twitterで関連のあるキーワードを検索してフォローする
Twitterの検索機能ではアカウントだけに絞り込んだ検索も可能なので、ターゲットフォロワーにヒットしそうなキーワードを検索してターゲットユーザーを見つけましょう。例えば、ターゲット読者がアプリのマーケターやディレクター、アプリ開発者の場合、「アプリ開発者」と検索することでグロースハックジャーナルに興味がありそうなアカウントを探すことができます。
上の画像はTwitterのアカウント検索画面です。①で検索したいキーワードを入力し、②でアカウントを選択すると、キーワードからヒットしたアカウント一覧が表示されます。Twitter検索ではアカウント一覧画面でユーザープロフィールは表示されますが、フォロー数・フォロワー数は表示されません。F/F比を確認するにはアカウントをさらにクリックする必要があります。
施策2 :発信するコンテンツの種類を増やす
フォロー数を増やすための施策として、質の高いフォロワーを増やす以外に発信するコンテンツの種類を増やすという方法があげられます。発信するコンテンツを、自社メディアに関するものだけでなくターゲットユーザーが興味のありそうなものも織り混ぜることで、フォローバック率を高めることができるのです。コンテンツの種類を増やすことで、あなたのプロフィールページに訪れたユーザーに「このアカウントは自社メディアに限らず有益な情報を提供しているアカウント」として認識してもらえます。アプリ開発者がターゲット読者の場合は、自社メディアのツイート以外に海外の面白いアプリの紹介や調査系などを織り交ぜながらツイートするのもいいでしょう。
CTRをあげるための施策
ツイートのクリック率(CTR)を高めるためには「ツイート内容」と「画像」の工夫を行うことが大切です。それぞれについて説明していきます。
施策1:ツイートの内容を最適化する
ツイートをする際に記事の紹介文を最適化することでツイートへのクリック率(CTR)を高めることができます。タイムラインであなたのツイートをクリックしてもらうには、反応がよかったツイートを参考にしてどういうタイトルや紹介文だとクリックされやすいのか分析する必要があります。フォロワーの年齢層や趣味趣向によって最適なツイート内容は異なってくるので、いろいろと試してクリック率(CTR)が高いツイートの傾向を探っていきましょう。
施策2:Twitter Cardsを使用してツイートに写真を入れる
ツイートをする際に写真を入れることで、クリック率(CTR)を高めることができます。HubSpotとMarket Domination Mediaが行った調査によると画像を入れたツイートの方がユーザーの反応率は高く、CTRを18%も上げることができるそうです。また、ツイートに画像を入れる際にはただ画像を添付してツイートするのではなく、Twitterカードを使うことをオススメします。TwitterカードはツイートにURLが含まれている場合、①そのURLのサムネイル画像、②タイトル、③meta description(紹介文)が自動的に表示されるTwitterの公式機能の一つです。画像だけでなく、タイトルや紹介文が表示されることでさらにクリックされやすくなります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?上記施策はどれも明日からすぐに取り入れることのできるものです。ぜひ今後の施策に取り入れてみてください。この連載がみなさんの運用の参考に少しでもなれば幸いです!最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!前回までの記事はこちら